2018 Fiscal Year Annual Research Report
三次元多光子レーザープロセシングによる機能因子放出スキャフォールドの実現
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18H03551
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
寺川 光洋 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (60580090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾上 弘晃 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (30548681)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 超短パルスレーザープロセシング / 二光子還元 / 内部加工 / ソフトマテリアル |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度である平成30年度は、金属微細構造をソフトマテリアル内部に作製する技術の研究を行った。支持体となるソフトマテリアルに金属イオンを含有させ、内部に超短パルスレーザーを集光・走査することで三次元の金属微細構造を作製した。ソフトマテリアルはポリエチレングリコール(PEG)によるハイドロゲルとpNIPAMを使用した。金属イオンは硝酸銀と塩化金酸を使用し、PEGハイドロゲル内部にそれぞれ銀微細構造と金微細構造を作製できることを実証した。また、ハイドロゲルの架橋時にはモールドを用いているが、ハイドロゲルの形状を保持したままモールドから取り出すことを目的として、モールドの材料について検討も行った。特に微小寸法のものを扱う際に生分解性ポリマーを用いることを検討した。さらに、ハイドロゲルの液体浸透性に着目することで、同一PEGハイドロゲルの内部に異種の金属微細構造を空間選択的に作製できることをはじめて実証した。作製した金属微細構造の電子顕微鏡観察ならびにエネルギー分散型X線分析を行った結果、構造はナノ粒子から構成されていること、また、条件によって銀と金のコアシェル構造が作製できることを明らかにした。銀ナノ粒子と金ナノ粒子、ならびにコアシェル構造はそれぞれ異なる光吸収特性を示すことから、成果技術によりハイドロゲルに波長選択的な機能を付与することが期待できる。同時並行でpNIPAMを使用した実験にも取り組み、多光子還元によりその内部に金属微細構造を作製できることを確認した。また、二光子吸収を利用してハイドロゲル内部に異なる分子量のハイドロゲルを局所的に重合させる研究に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた金属微細構造作製を進め、条件最適化実験、異種金属の構造作製、作製構造の分析を行った。これらの成果の一部は現在原著論文として投稿中である。また、計画よりも前倒しで局所的重合の研究に着手した。以上より、若干ではあるものの、当初の計画以上の進展がみられた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画から大きな変更はない。金属微細構造の作製を進めるとともに、ハイドロゲル内部に光特性を変化させるための構造を作製する研究にも取り組む。
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Research Products
(12 results)