2019 Fiscal Year Annual Research Report
スペクトル情報に基づく高齢者など色弱者の知覚色予測と視認性評価
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18H03565
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
坂本 隆 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (90357111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市原 恭代 工学院大学, 情報学部(情報工学部), 准教授 (10301813)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | スペクトル情報 / 色弱者 / 高齢者 / 視認性 / 印象 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来のRGBカラー画像に基づく色覚シミュレーションでは,原理上どうしても欠落する情報が存在するが,その欠落はスペクトル情報に基づく技術開発で防ぐことができる.スペクトル情報に基づく色覚研究のメリットは,色弱者等の色彩感覚を正確に見積もることができる点である. 今年度は,年度前半は主に研究成果発表に充当し,年度後半にハイパースペクトルカメラ(2次元スペクトル情報)から高齢者と色弱者の色覚特性を再現する研究を計画をしていた.しかしコロナウイルス感染拡大に伴う出勤停止措置のために,ハイパースペクトルカメラが設置してある実験室利用が困難となってしまった.そのため,年度後半に予定していた2次元スペクトル情報に基づく高齢者と色弱者の色覚特性再現については,成果が殆ど得られていない.コロナウイルス感染がある程度落ち着いて,実験室利用が可能になり次第,本研究課題を進捗させる予定である. 一方,高齢者と色弱者の色覚特性を対象とする視覚実験については,薄暮における手すりの見えを題材に,高齢者の視認性を明らかにする研究を進めた(ただしこちらの実験も,感染リスクが高いと想定される高齢者を対象としているため,2020年度の実験実施は困難であることが予想される).その他には,色弱者の視認性を確保するだけでなく,視覚情報から感じる印象を考慮しながらユニバーサルデザイン化された情報提示をするという,新しい社会的概念(印象のユニバーサルデザイン)を提唱し,論文として報告することができた.また高齢者の色印象についても,記憶探索と再生の観点から新しい印象想起モデルを構築し,論文として報告することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルス感染拡大に伴う出勤停止措置のために,ハイパースペクトルカメラが設置してある実験室利用が困難となり,年度後半に予定していた研究(2次元スペクトル情報を利活用する研究実施)が困難となってしまった.
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Strategy for Future Research Activity |
2次元スペクトル情報を利活用する研究実施については,コロナウイルス感染がある程度落ち着いてきて,実験室利用が可能になり次第,進捗をさせる予定である. 一方,コロナウイルス感染リスクが高いと想定される高齢者に関しては,コロナウイルス感染が終息し,安全性が確保されるまで,高齢者を対象とする被験者実験の実施は困難であると予想される.そこで今後の研究実施については,コロナウイルス感染の状況を鑑みながら,実施可能なテーマを絞り込んで研究を進める計画である.具体的には,実施済みの実験結果の整理と報告,若年者を対象とした(感染防止措置を講じた上での)被験者実験などを実施する予定である.
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Research Products
(5 results)