2020 Fiscal Year Annual Research Report
Parthenon Project Japan 2018-2022
Project/Area Number |
18H03566
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
長田 年弘 筑波大学, 芸術系, 教授 (10294472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 咲子 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (00641101)
小堀 馨子 帝京科学大学, 総合教育センター, 准教授 (00755811)
師尾 晶子 千葉商科大学, 商経学部, 教授 (10296329)
中村 るい 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 准教授 (50535276)
仏山 輝美 筑波大学, 芸術系, 教授 (70315274)
大原 央聡 筑波大学, 芸術系, 教授 (80361327)
齊藤 貴弘 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (80735291)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | パルテノン / ギリシア美術 / ギリシア宗教 / ギリシア神話 / ギリシア彫刻 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、右記の七つの事業を実施した(2021年度、2022年度繰越実施を含む)。①2020年6月27日に、パルテノン彫刻およびアクロポリス奉納記念物についてオンライン研究例会。分担者小堀磬子および協力者小松誠による研究発表と討議。②2020年9月12日、パルテノン彫刻およびアクロポリス奉納記念物についてオンライン研究例会。ノッティンガム大学(英国)、西洋古典学考古学部Th. Jim准教授による講演と討議。歴史学の立場から、本研究に対する専門的助言を得た。③2020年10月24日、中村義孝制作パルテノン・フリーズ浮彫石板実物大模作に関する研究と討議(中村義孝自邸工房)。④2020年12月5日、制作班によるオンライン研究例会。加藤公太(順天堂大学・助教)講演。パルテノン彫刻の制作方法の分析に関して、本研究課題に対する助言を得た。⑤2021年6月26日、オンライン研究例会。D. Williams博士(ブリュッセル大学シニア・リサーチャー)による講演と協力者、小松誠による研究発表と討議。D. Williams博士は、元大英博物館学芸員。予定している現地調査に関して専門的助言を得た。⑥2021年10月2日、制作班によるパルテノン・フリーズ浮彫石板実物大模作の石膏取り(於中村義孝自邸工房)。パルテノン彫刻制作方法に関して検討を進めた。⑦2021年11月27日、パルテノン彫刻およびアクロポリス奉納記念物についてオンライン研究例会。ウィーン大学古典考古学部M. Meyer教授(オーストリア共和国)の講演と協力者小松誠による研究発表。⑧2022年9月1日より7日まで、アテネ国立博物館、新アクロポリス美術館(いずれもアテネ、ギリシャ共和国)において碑文およびパルテノン彫刻に関する現地調査。歴史班による碑文博物館(アテネ)における調査。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パルテノン神殿装飾に影響したと思われるアクロポリス奉納記念物群に注目し、パルテノン彫刻との比較検討を行った。神殿彫刻と奉納記念物群の共通性を踏まえ、建築装飾が必ずしも民主政の表象をメッセージとしていたのではなく、むしろ、神々への神殿の奉納という、オリエント宗教にも共通する古代文明に一般的な宗教観を表出していたことを検討した。美術史学と歴史学の共同調査により、欧米の価値観から離れた視点から解釈基盤を問い、日本隊独自の成果として発表することを目的とする共同研究を実施した。 新型コロナ感染拡大のために、2020年3月1日に予定していたニコラ・ラマール博士(キール大学PD)、3月26日、27日のVasileia Manidaki博士(ACROPOLIS RESTORATION SERVICE, Athens)およびAdele Scafuro教授(Brown University, USA)の招聘と講演、古代ギリシア碑文と奉納物に関する研究会およびワークショップの開催はいずれも中止した。しかし、上述のように、オンライン形式の研究会、講演会と、繰越年度における調査によって代替し順延実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度の事業として、右記を計画している。①パルテノン彫刻に関する全体集会を開催し、パルテノン神殿造営目的と附属彫刻の美術史的な解釈について研究発表および討議を行う。②大英博物館(ロンドン)および新アクロポリス美術館(アテネ)におけるパルテノン彫刻および古代ギリシア奉納記念物に関する調査。両美術館関係者との共同研究セミナー。③海外招聘者の講演と、歴史班と美術史班の合同の研究例会。④制作班による、制作者の観点によるパルテノン彫刻研究例会。特に、昨年度に中村義孝研究協力者の制作した石膏模刻フリーズ浮彫について検討を進める。これら①から④の活動によって、パルテノン神殿装飾に影響したと思われるアクロポリス奉納記念物群に注目し、図像と様式の比較検討を行う。これら二種類の共通する要素を解明し、建築装飾が必ずしも民主政の表象をメッセージとしていたのではなかったこと、むしろ、神々への神殿の奉納という古代文明に一般的な宗教観を表出していたことを検討する。美術史学と歴史学の共同調査により、欧米の価値観から離れた視点から解釈基盤を問う。 パルテノン彫刻の図像と様式の分析を通じて、図像解釈を再検討し(美術史班 長田、田中、中村るい)、アクロポリス奉納記念物の碑文等の文字資料を分析し(歴史班 小堀、師尾、齋藤)、共通テーマについて討議を進める。また、パルテノン彫刻の制作過程と造形について分析(制作班 大原、仏山)を行い、情報交換と集約を研究例会と全体集会において行う。
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Research Products
(22 results)