2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18H03574
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Research Institution | Kyoto National Museum |
Principal Investigator |
松本 伸之 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, その他部局等, 館長 (30229562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 士郎 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部, 課長 (20249915)
沖松 健次郎 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 課長 (30332133)
和田 浩 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 課長 (60332136)
西木 政統 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 主任研究員 (90740499)
小泉 惠英 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部, 部長 (40205315)
伊藤 信二 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部企画課, 課長 (00443622)
大原 嘉豊 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部保存修理指導室, 室長 (90324699)
斎木 涼子 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, その他部局等, 室長 (90530634)
安藤 香織 公益財団法人徳川黎明会, 徳川美術館, 学芸部マネージャー(学芸員) (20555031)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高雄曼荼羅 / 両界曼荼羅 / 神護寺 / 密教美術 / 空海 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本に密教をもたらした空海は、密教の理解には造形作品が必要であると述べ、多くの造形作品を中国から請来した。帰国後は、請来した彩色の両界曼荼羅を金泥と銀泥で写した京都・神護寺の高雄曼荼羅や、京都・東寺の講堂諸像の製作を指導した。本研究は、空海に関わる作品と、空海の造形観に関する研究である。 令和4年度は、後述の神護寺の薬師如来像の一世代前で木彫の濫觴期である8世紀後半に製作された奈良・大安寺の木彫群の調査を行った。木彫群はそれ自体優れたものであるが、木彫初期に異彩を放つ神護寺像を考察するうえでも不可欠な作品である。令和4年度は、新型コロナ感染症の影響で調査が十分に行えなかったため研究を令和5年度に繰り越した。 令和5年度は、神護寺の高雄曼荼羅、本尊薬師如来像の調査を実施した。神護寺は唐から帰国した空海が活動の拠点とした寺である。薬師如来像は、空海が他寺から本尊として迎えた可能性が指摘されるもので、空海の造形観を考察するうえで興味深い作品である。高雄曼荼羅は本研究の核心的作品であるが、大型作品ゆえに調査が困難なため貴重な機会となった。令和6年度に東京国立博物館で、高雄曼荼羅、薬師如来像を含めた神護寺の文化財を公開する特別展の開催を予定しており、そのための作品解説や論文の執筆も行った。ほかに9世紀後半に創建された京都・大覚寺の五大明王像(1167年、明円作)や鎌倉時代の五大明王像の調査も実施した。 インドネシアのボロブドゥール遺跡でも調査も実施した。インドで誕生した密教は、シルクロードのほか、海上を伝って東南アジアに伝播するルートがあった。造形的にはよりインド的な作品が作られ、インドの造形を重視する空海の造形観を考察する上で重要である。ボロブドゥール遺跡、プランバナン寺院遺跡群といった主要遺跡のほか周辺に点在する小規模な遺跡の調査も行った。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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