2020 Fiscal Year Annual Research Report
Building of a Japanese 1000 person natural conversation corpus for pragmatic analyses and its multilateral studies
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18H03581
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Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
宇佐美 まゆみ 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 日本語教育研究領域, 教授 (90255894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 容子 岐阜聖徳学園大学, 外国語学部, 教授 (10257545)
山崎 誠 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語変化研究領域, 教授 (30182489)
重光 由加 東京工芸大学, 工学部, 教授 (80178780)
石川 慎一郎 神戸大学, 大学教育推進機構, 教授 (90320994)
片上 大輔 東京工芸大学, 工学部, 教授 (90345372)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 語用論 / 自然会話コーパス / 基本的な文字化の原則(BTSJ) / 会話の分析 / 談話研究 / ポライトネス理論 / コミュニケーション能力 / 相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、語用論的分析のための「BTSJ日本語1000人自然会話コーパス」を構築・公開するとともに、コーパスを用いた研究成果を発表することである。そのため、「コーパス班」「言語研究班」「基礎理論班」の3つの班を設け、相互に連携をはかりながら研究を推進した。令和2年度は、それぞれの班が以下を行った。 「コーパス班」-昨年度に引き続き、既存の会話データも含め、多様化・均衡化に配慮しながら会話データを追加するとともに、コーパスに付随させる話者や会話状況の情報を整備し、『BTSJ日本語自然会話コーパス(トランスクリプト・音声)』(2021年3月版)を公開した。また、開発済みのコーパスの定量的分析のための「BTSJシステムセット活用方法講習会」にオンライン・チュートリアルを取り入れて実施した。 「言語研究班」-「日本語会話の総合的考察」の一環として、引き続き、本コーパスを対象として、定量的・定性的双方の観点から多角的に分析を進め、談話行動・異文化間コミュニケーションのメカニズムとそれを日本語教育に生かす方法を明らかにしていった。その成果として、『日本語の自然会話分析』(宇佐美編、2020、くろしお出版)を刊行した。 「基礎理論班」-この班は、「ディスコース・ポライトネス理論」、「雑談対話システムのモデル構築」について、基礎的な研究を行った。また、自然会話データを生かした新たな対話システムのモデル構築のための研究を行った。関連の以下の発表が、HAIシンポジウムにて、優秀論文賞を受賞した。 片上大輔,山本隆太郎,宮本友樹,宇佐美まゆみ(2021), 「対話型擬人化エージェントの言語的配慮に対する受容性の異文化比較に関する研究 -クラウドソーシングによる大規模印象調査-,HAIシンポジウム2021,P-13
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究は、大きくは、以下の3つに分かれて研究を推進していくものであるが、今年度は、それぞれ以下のようなことを行った。いずれも、計画以上の進捗であった。 1「コーパス班」-①「BTSJ日本語1000人自然会話コーパス」の構築と分析に関して、多様化・均衡化に配慮しながら会話データを追加、整備し、「BTSJ日本語自然会話コーパス(2021年3月版)」(446会話)を公開した。②本コーパスと連動する「BTSJシステムセット」をオンライン・チュートリアルの受講によって取得できるようにオンライン・チュートリアルを構築し、BTSJ活用方法講習会にて、試用を行った。③現在構築中の「共同構築型NCRBデータベース」に本コーパスを搭載し、希望者が利用できるようにするための連携機能を拡充した。 2「言語研究班」-本コーパスを利用した論文集「日本語の自然会話の分析」(宇佐美編、2020)、くろしお出版を刊行。 3「基礎理論班」-「ディスコース・ポライトネス理論」、「雑談対話システムのモデル構築」に関する基礎的な研究を行ったが、関連の以下の発表が、HAIシンポジウムにて、優秀論文賞を受賞した。片上大輔,山本隆太郎,宮本友樹,宇佐美まゆみ(2021), 「対話型擬人化エージェントの言語的配慮に対する受容性の異文化比較に関する研究 -クラウドソーシングによる大規模印象調査-,HAIシンポジウム2021,P-13
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、「語用論的分析のための日本語1000人自然会話コーパスの構築とその多角的研究」と題して、世界最大規模の日本語の自然会話コーパスを構築し、そのデータを使って分析した結果を、2冊の論文集として発表した。今後は、完成した本コーパスと、本研究の「基礎理論班」で進めてきた「雑談対話システム」を活用して、「人間とAIの対話コーパス」も構築し、「人間とAIのコミュニケーション」の実態調査を進め、近い将来訪れる「人間機械共生社会」に向けた人間とAIの協調的コミュニケーションのあり方を先駆けて分析し、人間が主導しながらAIと共生していくための「人間機械共生言語コミュニケーション学」の創成を目指す。
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Research Products
(28 results)
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[Journal Article] はじめに2020
Author(s)
宇佐美まゆみ
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Journal Title
宇佐美まゆみ(編)『日本語の自然会話分析ーBTSJコーパスから見たコミュニケーションの解明』くろしお出版
Volume: 1
Pages: v-xx.
Peer Reviewed
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