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2020 Fiscal Year Annual Research Report

Study on the central area of Xiongnu Nomadic state in the Kherlen river basin

Research Project

Project/Area Number 18H03589
Research InstitutionSapporo Gakuin University

Principal Investigator

臼杵 勲  札幌学院大学, 人文学部, 教授 (80211770)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 木山 克彦  東海大学, 清水教養教育センター, 講師 (20507248)
佐川 正敏  東北学院大学, 文学部, 教授 (40170625)
坂本 稔  国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (60270401)
笹田 朋孝  愛媛大学, 法文学部, 准教授 (90508764)
Project Period (FY) 2018-04-01 – 2023-03-31
Keywords匈奴 / 遊牧国家 / 中枢地 / 生産 / 窯業 / 物理探査
Outline of Annual Research Achievements

2020年度は、新型コロナウィルス流行のため渡航が困難、かつモンゴル科学アカデミー考古学研究所も対応できない状態となり、モンゴルでの現地調査(発掘調査・遺跡探査・関連遺跡踏査・出土資料調査・人骨調査)及び中国での資料調査を断念せざるをえなかった。そのため、文献等による関連資料の収集、2021年度以降の現地調査の効率的・効果的実施のための調査・探査方法の検討、従来の調査成果の中間的まとめと国際的な成果発信の準備を進めた。まず、発掘調査記録の効率的作成のため、基準点設置の精度・速度向上のため2周波型GNSS受信機を購入し、RTK測位の実験と調査法の検討を国内で実施し、1名での迅速な測位を可能とした。また、発掘遺構の記録化のため、屋外記録可能な携帯型3Dスキャナと点群処理ソフトウェアを購入し、遺構記録方法の迅速化に向けた実験を行った。上記のGNSS測位と組み合わせ、短時間での記録の作成を可能とした。また、物理探査の解析をより詳細に行うため、磁気探査解析ソフトを購入し、従来の探査結果を再解析した。研究進行に関する打ち合わせを、リモート会議・メール等を利用して実施した。新たにモンゴル国立大学の調査による新たな土城址の調査成果が2020年に新聞等で発表されたため、考古学研究所を介して、情報の収集を行った。
未調査分の経費を2021年度に繰り越し、調査再開に備えたが、コロナウイルス流行が継続し、再度現地調査を断念せざるをえなかった。そのため、国内遺跡において調査方法の有効性の検証・探査条件の検討を実施し、見通しを得た。また、これまでの成果の中間的まとめを、研究参加者らと協議した。それらを、国際的に公表するため英文翻訳を行い、一部については、2022年発行の書籍で公表する予定である。また2022年度に、現地調査の再開のため、調査計画を研究参加者と検討し、考古学研究所との調整作業を進めた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2020年度は、予定していた各種の現地調査が実施できなかった。特に発掘調査・遺跡探査において、2019年度からの継続的な調査により計画していた、研究に必要な調査資料の収集・資料化・分析を進められなかった点に遅れが生じている。そのため、代替的な作業として、文献等の資料収集については積極的に進め、特にモンゴル領内に加え、中央アジア、シベリア、中国周辺地域を含めた城址・集落址等の関連資料と研究についての収集・整理を進めた。また、調査再開後の準備として、調査の作業効率の改善のため、調査機器や方法の見直し・検討を進めたことは、重要な成果と考えている。探査については国内の数か所の遺跡で、土壌や含水率、調査密度などの条件を勘案しながら、効果的解析と調査の効率化の検討を進め、実際の応用についても見通しを得た。
また、これまでの成果を再度検討し、中間的なとりまとめ作業を進め、調査再開時の課題も整理できた。現地調査の再開時に、以上を活用し、効果的・効率的な調査を進めることができると考えている。また、アジアに加え欧米の調査隊・研究者も多い分野であり、研究成果の国際的公表に備え、英文化作業を進め、最終的な成果公表にも利用可能な状況にし、最終年度以降に計画している国際的な発表に向けての準備を整えることができた。匈奴関連の出土資料の記録化については、実測・写真に加え、3D記録化も進めてきたが、2020年度においては、新資料を収集できなかったため、これまでの蓄積した資料について、解析方法を見直して改善を図り、精度の向上を進めることができた。
以上の成果を利用して今後の調査再開と研究進行により、遅れを解消する予定である。

Strategy for Future Research Activity

2021年度分の研究計画において、中断した各種調査を再開させる予定で、調整と準備を進めている。とくに2019年度に実施したKBS3遺跡の発掘調査を継続し、上下に重なる窯址遺構の内容の解明、窯址が構築された大型土坑内における別遺構の確認と発掘を完了させ、操業期間、窯の形態・築造技術・焼成技術等の内容と変遷、生産された瓦・センの製作技術や隣接する土城・集落址出土品との同笵関係の解明を中心に進める。さらに近隣における物理探査の実施とすでに確認している反応が見られた地点の試掘調査を行い、窯址群の範囲や規模を明らかにする。また、年代測定や焼成温度推定のための試料の採取も進める。
さらにKBS遺跡群の立地する台地上において、従来の踏査・地表調査の成果をふまえ、関連遺物出土地点において探査・試掘を行い、KBS3遺跡以外の地点での窯址、集落址などの存在を確認し、同時代の遺構の分布状況の把握作業を進める。さらに近隣のヘルレン川流域の他の土城址周辺においても、踏査・探査・試掘を実施し、生産遺跡の有無や分布状況を明らかにする。
出土品の生産技術研究に関連して、同時代の中国等の隣接地域の瓦・土器等資料の調査を行い、比較検討を行う。この点については、各国のコロナウィルス感染状況なども勘案し、国内所蔵資料なども視野にいれて、調査を進める。人骨調査については、早い段階で再開のめどをつけ、匈奴人の食性、病理、遺伝等の情報を収集する。
最終年度に向け、最終成果の取りまとめを、全研究参加者及び関連研究者による検討を行うため、国際研究集会をリモート会議なども併用しながら開催する。また、成果報告の作成を英文も含めて行い、web等を用いた形で公開する。中間的な成果公開については、学会発表・論文等の形で随時実施する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2021 2020

All Journal Article (2 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] 海外論文紹介:遼宋~蒙元代の軒平瓦における造瓦変革と韓半島・日本への影響2021

    • Author(s)
      佐川正敏
    • Journal Title

      韓国瓦学報

      Volume: 4 Pages: 99-150

  • [Journal Article] 匈奴の製鉄技術の特色-モンゴル国ホスティン・ボラグ1遺跡を中心に2020

    • Author(s)
      笹田朋孝
    • Journal Title

      柳本照男さん古稀記念論集-忘年之交の考古学-

      Volume: 1 Pages: 232-242

  • [Presentation] 古代遊牧国家の実態にせまる-匈奴・契丹の窯業生産2021

    • Author(s)
      臼杵 勲
    • Organizer
      札幌学院大学コミュニティカレッジ
  • [Presentation] Iron Smelting sites of Xiongnu in Mongolia2021

    • Author(s)
      L. Ishtseren, Tomotaka Sasada
    • Organizer
      The Xiongnu Archeology Phenomenon in Historical and Interdisciplinary Research
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2022-12-28  

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