2019 Fiscal Year Annual Research Report
Radiocarbon measurement of annual tree-ring to clarify regional effect and fine structure on calibration curve
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18H03594
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
坂本 稔 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (60270401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾嵜 大真 東京大学, 総合研究博物館, 特任研究員 (20399265)
箱崎 真隆 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 研究員 (30634414)
木村 勝彦 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (70292448)
中尾 七重 山形大学, 理学部, 研究員 (90409368)
三宅 芙沙 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 准教授 (90738569)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 炭素14年代法 / 年輪年代法 / 較正曲線 / 地域効果 / 微細構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
宮城県仙台市中在家南遺跡の隣接地で出土したケヤキ(AD2~130)と,三重県津市の専修寺で用いられたヒノキ材(AD1158~1436)の隔年の単年輪炭素14年代測定を行った。前者は歴博の先行研究で測定され,IntCalからずれる炭素14年代を示した箱根埋没スギ(244BC~AD188,5年輪)と飯田埋没ヒノキ(AD52~542,5年輪)の時期と重なる。仙台ケヤキは箱根スギと近い挙動を示す一方で,飯田ヒノキとは若干挙動が異なっていた。ただし先行研究は5年輪を1試料とした測定であり,特に飯田ヒノキについては単年輪の再測定を視座におく。一方,後者は先行研究で測定された京都府宇治市平等院鳳凰堂ヒノキ材(AD1017~1177,5年輪),兵庫県姫路市の円教寺ケヤキ材(AD1410~1520,5年輪)および2018年度に測定した福井県坂井市の丸岡城ケヤキ材(AD1462~1553)と接続する。 酸素同位体比年輪年代法により,韓国南部の遺跡で出土した木材の年代が決まりつつある。今年度は釜山広域市古村里遺跡出土のノグルミ(AD80~200)の年輪セルロースを抽出・分割した。所蔵機関および測定を予定する韓国地質調査所との調整を行った上で,2020年度中の測定を予定する。 2018年度測定した丸岡城ケヤキ材の成果は,天守の築造年代ならびに酸素同位体比年輪年代法の成果とともに,文化財科学会第36回大会で報告した。また,データの提供を行った次期較正曲線「IntCal20」は査読を通過し,2020年度中にも公表の見込みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
過去2000年について,空白域となっている8~9世紀の木材資料はすでに確保済みであり,2020年度中に測定を予定する。
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Strategy for Future Research Activity |
先行研究と合わせ,過去2000年分の炭素14年代測定は2020年度中に終了する予定だが,単年輪で測定できていない時期,および隔年で測定された時期については,既存の較正曲線と比較しながら必要な時期の追加測定を実施する。また酸素同位体比年輪年代測定の充実により,紀元前への炭素14年代測定の進展が期待されている。新しい外部資金の獲得を視野に入れながら,可能な限り測定を進める。
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Research Products
(6 results)