2022 Fiscal Year Annual Research Report
Dynamic analysis of pastoral societies in Central Asia
Project/Area Number |
18H03608
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
今村 薫 名古屋学院大学, 現代社会学部, 教授 (40288444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 成也 国立遺伝学研究所, ゲノム・進化研究系, 特任教授 (30192587)
星野 仏方 酪農学園大学, 農食環境学群, 教授 (80438366)
兒玉 香菜子 (児玉香菜子) 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (20465933)
久米 正吾 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究センター, 特任助教 (30550777)
塩谷 哲史 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (30570197)
地田 徹朗 名古屋外国語大学, 世界共生学部, 准教授 (10612012)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 中央アジア / 牧畜社会 / ヒトー動物関係 / 家畜化 / レジリエンス / 気候変動 / 歴史生態学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中央アジア牧畜民の環境利用、経済活動、民族間関係を、歴史生態学的に解明することを目的としている。家畜化については、北部草原で紀元前5千年紀に馬の家畜化が、紀元前4千年紀に中央アジア東部でフタコブラクダが、紀元前4千年紀に中東でヒトコブラクダの家畜化が始まり、その後、東と西、北と南(草原とオアシス)の民族の相克と交流がダイナミックに続いたことが明らかになった。天山山脈の最初の牧畜民については、約5000~3500年前にかけて、初期の牧畜民が進出したことが明らかになった。 中央アジアにおける交易は、東西交易だけなく、ロシアと中央アジア南部のオアシス都市をつなぐ南北交易も重要である。18世紀中葉からユーラシア草原北辺に出現した要塞都市を拠点とした交易と軍事は、草原の遊牧民たちの生業活動と分かちがたく結びついていたことが明らかになった。 中国社会主義集団経済下のラクダ飼養の変容と適応について、中国内モンゴル自治区エゼネー旗の統計資料とオーラルヒストリーから詳細に分析した。その結果、社会主義集団経済の牧畜政策に応じたフタコブラクダの徹底的な利用と合理化に実相が明らかになった。 同じく社会主義経済にあったカザフスタンで、アラル海災害からの復興における牧畜の役割について解明した。アラル海地域に残った住民は、荒廃する漁業を諦め、元来の生業である牧畜に回帰した。国家レベルでの牧畜政策が地域での牧畜の実践にどのような影響を与え、地域住民もいかにレジリエンスを発揮して災害状況に柔軟に適応したかが解明された。 気候変動が喫緊の課題となっている中央アジア乾燥地において、カザフ・ドライステップとモンゴル高原という異なる景観を持つ空間で、家畜の行動パターンや草地利用を比較した。その結果、遊牧システムは、草原の生態系と共生することで草原の劣化と砂漠化を防いできたことが明らかになった。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
研究成果を中心としたWebページである。国際的な情報発信と情報共有を目指し、和文・英文両方のバージョンを作成している。また、科研の成果報告を毎年1冊発行しているが、同時に、Web Journalとして公開している。
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