2020 Fiscal Year Annual Research Report
Modeling the Legal Decision-Making: AI and Legal Mind
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18H03612
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
太田 勝造 明治大学, 法学部, 専任教授 (40152136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 淳子 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (00251314)
佐藤 健 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 教授 (00271635)
浅水屋 剛 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 助教 (00377920)
今井 耕介 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (00780032)
岡田 謙介 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (20583793)
齋藤 宙治 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (20779392)
米村 滋人 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (40419990)
森 大輔 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(法), 准教授 (40436499)
飯田 高 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (70345247)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | リーガル・マインド / シナリオ・スタディー / AI裁判所 / 裁判管轄の合意 / 脳神経科学 / 仲裁合意 / 量刑 / フィールド実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナウイルス・パンデミックのために実施を繰り越していた社会調査(フィールド実験)について,調査会社と改めて打ち合わせて実施可能という結論に至って,2021年度に実施することが出来た. 具体的には,リーガル・マインドを持ったAIの支援を受けた裁判所,及びそのようなAIそのものが裁判をすることについてのシナリオ実験を構築して,2×3×2の12種類のシナリオの質問票を作成し,調査会社によるインターネット調査の形式で,各ヴァージョン100データの合計1200データを収集することが出来た.本来は郵送法との併用を計画していたが,郵送法はコロナウイルス・パンデミックに鑑みて回収率がはかばかしくないであろうということでネット調査に絞って実施した. シナリオとしては,裁判管轄の合意をする場合の,AI裁判所とそうでない伝統的裁判所,当事者にとって中立的裁判地・一方に有利な裁判地,国際取引と国内取引,の組み合わせで質問をし,人々の受容の程度や当事者の合理性や有利不利についての評価を調査した. このようなデータについて,ベイズ統計学ベースのMCMC法による分析(伝統的な帰無仮説有意性検定における三元配置分散分析に相当)を実施して,興味深い結果が得られた. 成果は,米国中心のLaw and Society Associationの年次大会,アジア中心のAsian Law and Society Associationの年次大会,及び日本法社会学会で報告して,国内外に情報発信をしている. MRIを用いたリーガル・マインド研究もコロナウィルス・パンデミックでデータ収集が遅れたが,成果が出始めている.その一部は"Effective Connectivity and Criminal Sentencing Decisions: Dynamic Causal Models in Laypersons and Legal Experts," Cerebral Cortex, bhab484, https://doi.org/10.1093/cercor/bhab484として刊行した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
コロナウイルス・パンデミックのために若干の遅れは生じたが,調査会社との協議によってフィールド実験の実施に至ることが出来,その際には当初予定よりも詳細で緻密な実験計画法を企画することが出来,また,当初の予定よりも大規模なデータ収集を同額の予算で実施することが出来た. また,データ分析も順調に進み,法社会学会,ポルトガル共和国リスボン市での法社会学世界大会等での研究報告も確定し,結果としては当初の予定通りの研究成果発表に至ることが出来ている. fMRI(機能的磁気共鳴画像装置)による法律専門家と法素人の比較,法的判断と日常的判断の比較を脳神経科学的に行う研究も,コロナウィルス・パンデミックで遅れたが,成果が出るだけのデータは収集できた.脳画像データの分析も進み,成果の一部は国際的な専門誌Cerebral Cortex誌に"Effective Connectivity and Criminal Sentencing Decisions: Dynamic Causal Models in Laypersons and Legal Experts," https://doi.org/10.1093/cercor/bhab484として掲載された. これらの研究成果は,日本法社会学会でも学会報告をしてきている. 以上の点に鑑みるならば,当初の計画以上に進展していると資料することが出来る.
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Strategy for Future Research Activity |
これまで以上に,国内外の学術大会で研究成果を広く情報発信する.具体的には,日本法社会学会の年次大会,Law and Society Associationと欧州のRCSL(Research Committee for Sociology of Law, ISA [International Sociological Association]), アジアのAsian Law and Society Associationのそれぞれの年次大会や共済による世界大会等で報告する予定である.また,学術雑誌等に論文として投稿して活字形態での情報発信にも努める. データの統計分析・解析を更に続けて,より精緻な研究成果に彫琢してゆく.具体的には,コロナウィルス・パンデミックで遅れていた脳神経科学的研究もデータが揃ってきており,今後は更にデータを集め,多種多様な統計的手法を駆使して解析作業を実施する.また,フィールド実験で蒐集した実験計画法によるデータ収集も成果が出始めており,皿ナスベイズ統計による解析を進めてゆく.成果は,上記の諸学会で報告する.また,学術雑誌等に論文として投稿して活字形態での情報発信にも努める.
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article] Effective Connectivity and Criminal Sentencing Decisions: Dynamic Causal Models in Laypersons and Legal Experts2022
Author(s)
ASAMIZUYA, Takeshi, SAITO, Hiroharu, HIGUCHI, Ryosuke, NARUSE, Go, OTA, Shozo, & KATO, Junko
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Journal Title
Cerebral Cortex
Volume: 32
Pages: 4304-4316
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Book] 知能の誕生2022
Author(s)
デヨル・リー(加藤淳子監修)
Total Pages
261
Publisher
木鐸社
ISBN
978-4-8332-2552-6
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