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2019 Fiscal Year Annual Research Report

談合の実証分析

Research Project

Project/Area Number 18H03643
Research InstitutionKindai University

Principal Investigator

中林 純  近畿大学, 経済学部, 准教授 (30565792)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 広瀬 要輔  明治学院大学, 経済学部, 助教 (10761398)
西脇 雅人  大阪大学, 経済学研究科, 准教授 (80599259)
Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords談合 / スクリーニング / 繰り返しゲーム
Outline of Annual Research Achievements

プロジェクトA(スクリーニング・コミュニケーション)については、業績を取りまとめた論文が専門雑誌のEconometricaより再投稿の要請があった。その結果を踏まえて当該論文を改定して再投稿した。プロジェクトB(不完全観測)については、総合評価落札方式入札の談合の識別方法について検討を重ねた。プロジェクトC(自己拘束性)については、大阪府内の自治体で起こった談合について、その維持メカニズムのケーススタディをした論文の制作を開始した。談合の実態を知る地元住民とのインタビューも行った。入札データの収集は電子入札の導入が進んでいることから、ウェブ経由で効率的に取得する方法を開発した。こうした大容量のデータを前述のプロジェクトの分析にも活用するようデータをクリーニングした。また談合の捜査当局である公正取引委員会等の実務家からの助言を得ることも引き続き行う分析に用いるデータの収集・加工作業を行った。北米の研究機関での発表の機会を得るために,川合助教授との打ち合わせを行い、産業組織論の実証研究の最先端の手法をフォローアップした。
また、カルテル・談合と市場構造の関係を実証的に検証するプロジェクトについては、企業形態(上流下流市場での企業の垂直統合)や競争の仕方(同一産業内での複数市場での競争)がどのようにカルテル・談合の発生確率に影響を及ぼしているのかを実証的に分析した。
総合評価落札方式のオークションについて、競争均衡に関する理論モデルと推定方法を構築する研究も並行しておこなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

提案した3つのプロジェクトのうちAは予定よりもやや早く、Cはほぼ予定通りに進行している。プロジェクトBについては、当初談合の維持形成メカニズムの探求をテーマとしていたが、現状は談合の探知方法の開発にとどまっていることからやや進捗が遅れている。その一方で、Bで使用する談合の探知手法は、いわゆる回帰分断分析(Regression Discontinuity)の応用であることから、日本国内の総合評価方式入札のデータにとどまらず、他のさまざまな入札データに適用できることが判明しており、今後の広範な応用可能性を示唆知る結果を得ている。
また、カルテル・談合と市場構造の関係を実証的に検証するプロジェクトについては、推定モデルはほぼ完成しており、企業間の垂直的な関係がカルテル談合に影響を及ぼすという暫定結果がすでに得られている。この結果に関しては、海外学会等で報告も行なっている。しかし、観察できない企業の費用要因(主に効率性)が結果に影響を与えている可能性が考えられ、例えば、効率性が下がったために価格が上がり、カルテルが行われていたように見えてしまうことがある。この観察できない要因に起因する問題の解消に取り組んでいる。
総合評価に関する研究については、オークションに関する理論モデルを提示し、均衡の存在と均衡の持つ性質を証明し、観察できるデータから費用関数をセミパラメトリックに推定する方法を提示し、その推定方法の性質を議論した。

Strategy for Future Research Activity

最終年度であり、収集されたデータを踏まえ、研究のとりまとめを行う。
まずプロジェクトA(スクリーニング・コミュニケーション)について、専門雑誌のEconometricaでの審査結果を受けて、必要であればさらなる作業を行う。プロジェクトB(不完全観測)については、総合評価方式入札の導入のような不確実性が談合の崩壊に強く働くのか、その論文のとりまとめ作業を行う。プロジェクトC(自己拘束性)については、とりまとめ論文を本年度中に専門誌に投稿する。
企業の観察できない効率性に関する問題に関して、工業統計調査の個票データを用いることを考えている。通常では観察できないような企業や工場の効率性を生産関数を推定することで計測し、既存分析に追加することで、より精緻な分析にする。
総合評価入札については、論文をまとめ完成次第投稿する。また、理論面では均衡における入札関数の滑らかさ、計量面では提案した推定量の収束レートがそれぞれ不明であるなど未解決の課題も残った。これらの問題を解決することが今後の課題となる。

  • Research Products

    (5 results)

All 2019 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results)

  • [Int'l Joint Research] UC Berkeley(米国)

    • Country Name
      U.S.A.
    • Counterpart Institution
      UC Berkeley
  • [Journal Article] Search and resale frictions in a two-sided online platform: A case of multi-use assets2019

    • Author(s)
      Yoshimoto and Nakabayashi
    • Journal Title

      Journal of Economic Behavior & Organization

      Volume: 162 Pages: 85-105

    • DOI

      https://doi.org/10.1016/j.jebo.2019.04.013

    • Peer Reviewed / Int'l Joint Research
  • [Presentation] Data Driven Regulation: Theory and Application to Missing Bids2019

    • Author(s)
      中林 純
    • Organizer
      日本経済学会春季大会
  • [Presentation] An Empirical Analysis of Upstream Collusion in Vertically Related Industries,2019

    • Author(s)
      Masato Nishiwaki
    • Organizer
      2019 Royal Economic Society Annual Conference, April, 15-17, 2019, University of Warwick.
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] An Empirical Analysis of Upstream Collusion in Vertically Related Industries2019

    • Author(s)
      Masato Nishiwaki
    • Organizer
      34 Jornadas de Economia Industrial, September, 5-6, 2019, Universidad Complutense de Madrid.
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2021-01-27  

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