2018 Fiscal Year Annual Research Report
Implementation of Computer-Assisted Mixed Mode Survey under Difficulties of Social Survey
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18H03649
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
杉野 勇 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (80291996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
轟 亮 金沢大学, 人間科学系, 教授 (20281769)
平澤 和司 北海道大学, 文学研究科, 教授 (30241285)
小林 大祐 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (40374871)
尾嶋 史章 同志社大学, 社会学部, 教授 (30177224)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Computer Assisted Survey / Mixed Mode / Para data / Survey Methodology / Multi-cultural Society |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は,2019年度以降に予定している調査方法論的実査や多文化共生に関する複合モード社会調査の準備期間である。7月半ばに第1回研究会を開催して当初の計画・調査設計の再検討を開始した。日本でどの様な新規の調査方法が試行できるかの具体的検討の為に,社会調査の現場についての調査会社ヒアリングを8月に轟と杉野で実施し,実践的可能性についての理解を深めた。これは特に方法論的実査の再設計に関して重要である。また杉野は欧州社会調査学会主催のビッグデータと社会調査に関する研究大会(10月スペイン)に参加し,ビッグデータ時代におけるヨーロッパでのプライバシー保護の状況や公的登録情報・SNS発信情報と社会調査情報の関連付け,標本リクルート誤差とデータ符号化誤差の合計としてみる「一般化された総調査誤差枠組」などについて情報を収集した。2019年1月には尾嶋・平沢・杉野でミラノ大学の政治科学者を訪問し,最新のイタリア選挙調査の変容や社会科学的調査の現状について情報収集を行ってきた。また前身科研での調査データの分析結果を国際学会(2019年7月)で報告する計画を策定し,分析を進めている。 その他,轟は関連科研で若者ウェブ調査を実施して登録モニターウェブ調査についての検討を進め,杉野は別科研プロジェクトで弁護士に対する複合モード調査を実施して,複合モード運用についての分析を行っている(その一部は2019年6月の国内学会で報告予定)。更に,更に別科研で実施した法社会学的な全国調査のデータ修正作業を主導し,データハンドリングについての手法を開発しつつ,その応用として項目無回答についての分析に着手した。実査を行っていない為本経費で実施した調査データを用いた学会報告や論文等はないが,関連プロジェクトのデータ分析の学会報告や,社会調査方法論を含めた社会科学方法論についての編著書収録論文刊行は行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度に方法論的研究の為の実査,2020年度に多文化共生等を内容とする社会調査を行う計画で,まずは方法論的調査研究について検討を行ってきたが,一般の人々の協力傾向や,社会調査の実施に関わる電話・自宅訪問等に関する文化的環境の特性と云った日本の社会調査環境,調査会社の(ICT機器や面接調査員などの)標準設備や新規の調査方法に関する経験と意向,そして予算制約などから,革新的な方法での実査の実現可能性について再検討を行う必要が強まった。日本国内でも学会や他の調査研究プロジェクトだけでなく学術会議などの動向も踏まえて調査方法の実験的研究課題を明らかに,外国に関しても,つい最近になって従来型世論調査からウェブ調査に転換したイタリア選挙世論調査の状況をヒアリングするなどして,方法論的実査への示唆を得るなどの活動を行ってきた。それに伴い,方法論的調査の検討が2019年度に入ってからとなり,実施時期が2019年末~2020年第1四半期になると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年8月までに,社会調査会社の現状視察やヒアリングなども行って実施可能性を見極めながら,方法論的実査の具体的な設計を進める。2019年度の第1回研究会を6月2日~3日に予定している。そこでの検討に基づきつつ,夏の終わりから秋頃に,研究倫理審査,調査実施委託先の入札などを行い,年末以降の年度内に方法論的実査を実施する計画である。その間,7月にクロアチアで開催される欧州社会調査学会でこれまでの研究成果の一部を発表すると同時に,欧米での社会調査研究の先端的知見を収集して方法論的実査へのヒントとする。それ以外にも可能であれば海外視察を行い,特に世界的にも重要性を増しているウェブ調査に関連して最新情勢を研究して方法論的実査設計に活かす事を検討する。
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