2019 Fiscal Year Annual Research Report
大学教育の分野別内容・方法とその職業的アウトカムに関する実証研究
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18H03657
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本田 由紀 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (30334262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 祐 群馬大学, 大学教育・学生支援機構, 准教授 (20511968)
松下 佳代 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 教授 (30222300)
小山 治 京都産業大学, 全学共通教育センター, 准教授 (50621562)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 大学教育 / 社会的アウトカム / 学問分野 / パネル調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクトでは、2019年秋に大学4年生を対象として第一波調査を実施したが、回答者数が計画を下回ったことから、2020年秋に調査対象学部を大幅に拡張して第一波追加調査を実施した。その結果、約1700の追加サンプルが得られ、専門分野別の分析が可能なデータセットが獲得できた。追加調査では、新型コロナウイルス感染症が大学での学修成果にいかなる影響を及ぼしたかについても分析可能な質問項目を追加した。 また、2019年の第一波回答者の中で追跡調査に同意が得られた対象に対して、2020年春に新型コロナウイルス感染症拡大の影響に関する緊急調査を実施し、さらに2020年秋には第二波調査を実施した。いずれについても、調査結果を調査対象にフォードバックするとともに、プロジェクトHPに掲載済みである。また、2020年9月の日本教育社会学会において、第一波調査結果についての暫定的な分析結果を報告した。報告の主な内容は、文系の各専門分野の習得度を規定する個人および大学教育に関する要因と、専門分野の習得度がジェネラルな知的スキルとどのように影響しているかに関する知見である。 また、2019年度に実施したイギリス現地調査に関して、2021年の高等教育学会において報告を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年に実施した第一波調査のサンプルサイズは不十分であったものの、第一波追加調査ではそれを補うに十分な追加サンプルが得られ、大学の文系の専門分野における習得度についての他に類例がないデータセットが獲得できた。 大学教育の質保証に対する大学生調査の活用可能性について、2018年度にはアメリカで、2019年度にはイギリスで、それぞれ現地調査を実施したが、2020年度には新型コロナウイルス感染症の拡大のため海外渡航が困難な状況であったため、実地調査は実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度には、2019年の第一波調査対象者に対して第三波の追跡調査を実施することと並行して、2020年の第一波追加調査対象者に対して第二波調査を実施する。それぞれ、大学在学中の専門分野の習得度が、卒業後2年目および1年目の就業状態や職業的スキルの獲得・発揮にどう関係しているかを分析することができるデータとなる。 また、2021年度における新型コロナウイルス感染症の状況が改善した場合、アジア(中国もしくはシンガポールを予定)における大学生調査の大学教育質保証への活用状況について現地調査を実施する予定である。
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Research Products
(2 results)