2018 Fiscal Year Annual Research Report
Multisensory integration on food taste
Project/Area Number |
18H03665
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
和田 有史 立命館大学, 食マネジメント学部, 教授 (30366546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小早川 達 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究グループ長 (70357010)
鳴海 拓志 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 准教授 (70614353)
小林 正佳 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (80343218)
角谷 雄哉 大阪樟蔭女子大学, 健康栄養学部, 講師 (00815863)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 感覚間相互作用 / 嗅覚 / 味覚 / 嗅覚ディスプレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
醤油の匂いを呼吸と連動させて後鼻腔経路から提示することで、喫飲した溶液の塩味強度が増強されることを示した。このことから、呼吸運動感覚と同期した後鼻腔経路経由の嗅覚刺激による味覚強度増強は、甘味特異的な現象ではないことが示唆された。 また、鼻孔に香気成分を提示するチューブを中鼻甲介まで挿入し、呼気、もしくは吸気と連動させて香気成分を提示し、嗅粘膜に香気成分を到達させることで、口の奥からこみ上げるときに感じる嗅覚(レトロナーザル経路嗅覚)と鼻の穴から嗅いだ時に感じる嗅覚(オルソナーザル経路の嗅覚)による嗅知覚の両者と同等の経験を、共通の鼻孔からの刺激で提示できる装置を開発した。鼻孔に香気成分を提示するオルソネーザルチューブの留置に関して、その安全性の検証と至適性の検討を施行した。健常被験者の鼻腔内を耳鼻咽喉科診療用の鼻咽腔ファイバースコープで観察しながら、ネーザルチューブを挿入して、嗅覚受容細胞(嗅細胞)が存在する嗅粘膜のある嗅裂前方(中鼻甲介先端付近)にチューブ先端が位置するときのチューブの鼻内挿入長を計測した上で実験を行いこの効果を確認した。 開発した1つの鼻孔からの刺激で2つの経路の嗅覚刺激を提示できる装置について、呼吸と連動した嗅覚提示によりその効果を検証するために,呼吸をモニタリングする仕組みを検討し、超小型のMEMS気圧センサを用いた方式がタイムラグが少なく適していると判断し、これを用いた方式を設計した。 さらに、嗜好性によって、嗅覚の組み合わせによる反応時間の計測を行うために、従前の事象関連電位計測・反応時間計測用の嗅覚刺激装置(いわゆるKobal式Olfactmeter)の大規模な改修を行った。これにより、組み合わせを実現する背景香と標的香を制限なく選択することが可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
提示装置の開発は困難で、開発が遅れ、実験の進行は遅れているが、中鼻甲介にチューブを挿入する方法で、確実に呼気・吸気に連動した嗅覚刺激によって嗅覚刺激を提示することができたことは予想以上の成果である。 その一方、ヘッドセットの開発は困難で呼吸のセンサーによる刺激制御がまだできていない。また実験刺激に用いる香料の配合や温度の影響が判明したため、実験開始がやや遅れている。そのためやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
レトロナーザル経路の嗅覚の特徴は食体験における感覚間相互作用である。そのため、今回開発された装置によって、レトロナーザル経路の嗅覚に特徴的な、文化的に一致した味嗅覚の組み合わせ(例えば甘味とバニラの匂い)によって、呼気時の嗅覚刺激が顕著な味覚増強を示すかどうかなどを検討する。そのために、本年度設計した呼吸をモニタリング可能な嗅覚提示装置を実際に開発し、これを用いた実験を行う。 また、安全なオルソネーザルチューブの挿入・留置システムの確立と簡素化を図る。安全性を確実にするために全被験者の鼻腔内をファイバースコープで確認するのが最もである一方、同日鼻腔内を観察しなくても、チューブを安全に留置できるシステムを確立すれば、本システムの普及がより促進できると考える。今年度の研究から産出された至適なチューブ挿入長データを参考に、チューブの基本挿入長を設定し、かつ、抵抗を感知して挿入長の調整ができるシステムの開発に取り組む。また、チューブの断面積が最低必要量よりも低下した場合にそれを検知できるシステムを開発し、適切な実験研究の条件が担保されるように図る。 従前の事象関連電位計測・反応時間計測用の嗅覚刺激装置を回収し、背景香 3種類、標的香5種類を1セッションの中で15種類の組み合わせをプログラムできる刺激提示装置を開発し(この性能をもつ装置は世界でも本機のみ)、これを用いた実験を行う。
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Research Products
(61 results)
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[Journal Article] Endoscopic endonasal management of esthesioneuroblastoma: A retrospective multicenter study2018
Author(s)
Nakagawa T, Kodama S, Kobayashi M, Sanuki T, Tanaka S, Hanai N, Hanazawa T, Monobe H, Yokoi H, Suzuki M, Yamashita M, Omori K.
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Journal Title
Auris Nasus Larynx
Volume: 45
Pages: 281-285
DOI
Peer Reviewed
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