2019 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造半導体の高次高調波発生と強電場非線形光学の開拓
Project/Area Number |
18H03682
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金光 義彦 京都大学, 化学研究所, 教授 (30185954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣理 英基 京都大学, 化学研究所, 准教授 (00512469)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 非線形光学 / 高次高調波発生 / 強電場光学 / 半導体 / 半導体ナノ構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ナノメートルスケールの構造をもつ半導体ナノ粒子や単原子層物質において顕在化する特異な電子状態や電子間の強いクーロン相互作用に起因した高次高調波発生を探索し、バルク結晶との比較によりナノ構造固有の高調波発生メカニズムを理解することを目的としている。これまでは、単色のレーザーパルスによる高調波発生の実験が主に行われきた。その結果から、高強度電場によって励起されたキャリアの加速運動によって発生した非線形電流が高調波の重要な発生源であると考えられている。昨年度では、層状化合物半導体において、異なる波長の光励起によって発生する高次高調波を観測した。高調波の発生効率の強度依存性は、従来の非線形感受率では説明できない異方性を持つことが分かった。そこで、この観測結果を説明するために、試料のバンド構造を考慮した数理モデルを構築して、励起光によって発生する非線形電流とそれに伴う高次高調波を計算した。モデル計算は実験結果をよく再現し、光電場による電子の運動操作と、高次高調波の発生効率の制御が可能であることを示した。また、近年高効率な太陽電池や発光ダイオードなどの新しい光電変換材料として注目される有機無機ハイブリッドハロゲン化鉛ペロブスカイト半導体の高調波発生の機構についての解析を進めた。特に、実験と理論計算との比較から、高調波発生効率の角度依存性が、光電場で駆動されるキャリア運動ではなく非線形吸収の異方性によって決定されることを明らかにした。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] High-order harmonic generation from hybrid organic-inorganic perovskite thin films2019
Author(s)
H. Hirori, P. Xia, Y. Shinohara, T. Otobe, Y. Sanari, H. Tahara, N. Ishii, J. Itatani, K. L Ishikawa, T. Aharen, M. Ozaki, A. Wakamiya, Y. Kanemitsu
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Journal Title
APL Mater.
Volume: 7
Pages: 041107
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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