2022 Fiscal Year Annual Research Report
New direction of research on baryon-baryon interactions by hyperon-proton scattering experiments
Project/Area Number |
18H03693
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三輪 浩司 東北大学, 理学研究科, 教授 (50443982)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | ストレンジネス核物理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではシグマ陽子散乱実験を実施し、3つの散乱チャンネル(Σ+p, Σ-p, Σ-p→Λn)の微分断面積を導出することで、シグマと核子に働く相互作用を解明することが第一目標である。これは2018-2020年にかけてJ-PARCで実施したE40実験で全ての目標を達成した。もう一つの大きな目標がΛ陽子散乱のフィージビリティを確認し、それに向けた検出器の開発を行うことである。 本年度は、E40実験のデータに含まれるπ-p→ΛK0反応を同定し、生成されたΛの崩壊の非対称度からΛのスピン偏極率を測定し、前方生成事象に対してはΛがほぼ100%偏極していることを確認した。これは、将来のΛ陽子散乱実験において偏極分解能などのスピン観測量を十分測定できることを実証できたことになる。また、Λ陽子散乱事象も数10イベント程度であるが同定することに成功し、J-PARCで将来計画として提案しているΛ陽子散乱実験(E86実験)が十分に実現可能であることを示すことができた。 E86実験に向けてビームライン検出器の開発を進めている。高レートビームに対して時間測定するために、MPPCアレイを用いた高セグメント化されたシンチレータホドスコープの開発を昨年度から進めていたが、64セグメントからなる実機の製作を完了した。時間分解能はおよそ100 psが得られ、要求性能である140 psを上回る性能が得られている。また、ビームの位置を検出するファイバー検出器の開発を進めていたが、これまでのテストで性能が低いことが分かっていたXX'面を今年度に作り直した。宇宙線を用いたテストで、検出効率や時間分解能など十分な性能が得られることを確認した。 これらからΛ陽子散乱実験を遂行するためのベースとなる検出器の製作を完成することが出来た。
|
Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Remarks |
2番目のweb pageはハイペロン核子散乱実験の成果が認められ小柴賞を受賞した際に発表したページ。
|