2020 Fiscal Year Annual Research Report
Studies of baryons and dibaryons with J-PARC high-intensity meson beams and a TPC detector
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18H03706
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
佐甲 博之 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究主幹 (40282298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 裕大 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究職 (50756244)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Hダイバリオン / J-PARC |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、Hダイバリオン探索実験(J-PARC E42)のコミッショニングランをJ-PARCハドロン実験施設のK1.8ビームラインにおいて2020年6月と2021年2月に行った。2020年6月にはπ、K、p ビームを用いて、水チェレンコフ検出器における陽子の除去能力とπ中間子及びK中間子の検出効率の評価を行い、概ね期待通りの性能を達成した。また、2021年2月の実験においては、TPCをスペクトロメータ下流に設置し、放電に対する安定性と本実験に近い粒子レート等の条件下における飛跡再構成の性能及びゲーティンググリッドの動作等を確認した。2021年5-6月に行われる予定のE42の本実験に向けて、水チェレンコフ検出器と、荷電粒子数トリガ用のTPCホドスコープを完成させた。TPCホドスコープとTPCは、2π生成反応による核子共鳴実験(J-PARC E45)にも共通に使用されるものである。TPCに関しては、TPCガス筐体の気密性能を向上させるとともに、アルゴン・メタン混合ガスの流量を増やすことによってガス中の水蒸気の混入を100ppm以下に抑え、GEMの放電レートを1時間1回程度以下に低減することに成功し、放電によってGEMが壊れる確率を小さくする方法を確立した。 上記の研究において、分担者市川は主にE42実験の準備を担当し、研究代表者佐甲は全体計画の総括を担当した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
E42実験に関しては2020年度に検出器がすべて完成し、2021年度の5月にパイロット実験、5-6月に本実験が行われる予定であり、順調に進んでいる。一方、E45実験に関しては、まだビームタイムがアサインされていない状況である。E42実験の準備過程でE45実験に使用されるTPCとTPCホドスコープ等の製作が完了しているが、2021年度初めにE42の本実験を遂行して、この実験においてこれらの検出器を安定動作させて、データ収集速度性能等を評価する。これらの結果に基づき、さらにビームレートが高くなるE45実験のための準備計画を立てる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度の5-6月にHダイバリオン探索実験(J-PARC E42)の準備実験と本実験を遂行する予定である。その後、各検出器の較正とデータ解析によって、TPC、TPCホドスコープ、及び水チェレンコフ検出器等を含むHyperon spectrometerとK中間子識別のためのKurama spectrometerそれぞれにおける飛跡再構成、Kurama spectrometerによるK中間子の識別、2つのspectrometerを用いたΛ粒子の再構成を行い、ΛΛ不変質量スペクトルを求め、Hダイバリオンの探索を行う。2π生成反応による核子共鳴実験(J-PARC E45)に関しては、E42実験終了後にビームタイム要求のための計画を策定するととともに、水素標的のためのTPCの改造を行う予定である。分担者市川は主にE42実験の遂行を担当し、研究代表者佐甲は全体計画の総括とE45実験の準備を担当する。
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[Journal Article] Time Projection Chamber “HypTPC” for the Hadron Spectroscopy at J-PARC2021
Author(s)
Y. Ichikawa, J. K. Ahn, T. Akaishi , S. Ashikaga, S. W. Choi, K. Hicks, H. Ekawa, S. Hasegawa, S. Hayakawa, K. Imai, S. Ishimoto, W. S. Jung, B. M. Kang, S. H. Kim, J. Y. Lee, T. Nanamura, H. Sako, K. Sasaki, S. Sato, K. Shirotori, K. Suzuki, S. Suzuki, T. Takahashi, K. Tanida, S. B. Yang, J. Yoshida
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Journal Title
JPS Conf. Proc.
Volume: 33
Pages: 011103
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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