2020 Fiscal Year Annual Research Report
多入射中性子反射率法の開発とそれによる全固体型リチウムイオン電池のオペランド計測
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18H03709
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
山田 悟史 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 准教授 (90425603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細畠 拓也 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 上級研究員 (00733411)
日野 正裕 京都大学, 複合原子力科学研究所, 准教授 (70314292)
菅野 了次 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 特命教授 (90135426)
藤原 健 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (90552175)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 中性子反射率法 / 全固体電池 / 集光ミラー / オペランド計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においてMI-NR法を実現する上で必要となるディスクチョッパー、集光ガイド管、仮想光源スリット、精密集光ミラーの製作とインストールを行った。このうち、ディスクチョッパーと集光ガイド管は中性子線を用いるという本装置の特殊な都合により夏のメンテナンス期間中にしか作業ができないため、これに合わせて実施したが、残りのコンポーネントについては常時立ち入り可能な区域へのインストールであったため、2段階に分けてこれを実施した。前者については昨年度までに製作が終わっている機器の設置作業ということで問題なく実施することができ、実際の中性子線を用いた測定で、ほぼ予想通りビームが導かれていることを確認した。後者については、今年度の制作機器も含まれていたため、まずはこれの製作と組み立てを実施し、無事に完成させることに成功した。特に、集光性能に最も影響する機器として精密集光ミラーについては製作期間が短かったものの、最新型の精密加工機を使用することによって切削が終わった段階で十分な形状精度が出ており、これまで行っていた研磨による形状補正をスキップすることが出来た。もちろん、集光性能が悪化していては意味が無いが、形状測定を行った結果では、既に実用化に成功した集光ミラーと同程度の精度が実現できていることが確認できている。また、精密集光ミラーは10urad.スケールの傾き精度が要求されるため、これを可能な傾きステージを製作した。実際の性能は中性子を用いた実験を行う必要があるが、後述する理由により来年度行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、全ての機器が完成し、一部はインストールが完了している。ただし、1月に実施した調整作業中に仮想光源スリットが破損してしまったため、修理に2ヶ月を要した。そこで、計画を延期して来年度に機器の性能評価とMI-NRの実現を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年4月に修理したスリットを再設置し、集光ミラーの調整を行う。これにより、最終的な性能評価が行えると共に、実際にMI-NRを用いた測定が可能となる。最初はデモンストレーション実験を行い、性能評価の結果と共に論文作成に使用する。その後、本研究の最終目標である全固体電池へ適用し、電極界面におけるリチウムの分布が充放電に伴い変化する様子を観察する。 これらの結果は随時論文により発表すると共に、webページ等を介した発信を行い、社会への還元を行う。
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Research Products
(1 results)