2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study of Thorium-229 isomeric state: towards new science with nuclear clock
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18H03713
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
磯部 忠昭 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 専任研究員 (40463880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 香里 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (10624843)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 原子核時計 / 不安定核 / RIBF / TES |
Outline of Annual Research Achievements |
理化学研究所RIBF加速器施設にて生成した不安定核ビームを使い、TES検出器にてトリウム-229超低励起状態から発生する数eV内部転換電子、及び第二励起状態から発生する30keV弱のX線エネルギーをFWHMで10eV以下の高精度で測定するため、重イオン飛行時間による分別装置とTES検出器とを組み合わせたシステムの設計・開発を進めた。 特には昨年度導入したAdiabatic Demagnetization Refrigerator大型冷凍機をTES測定用にテスト・セットアップを行い、米国国立標準技術研究所(NIST)のX線測定グループとの協力のもと、X線測定用多チャンネルTESの読み出し回路導入と試作機の開発を行った。 X線測定用TES試作機では、数十keVのエネルギー分解能及び検出効率が良くなるように超電導素材・熱吸収素材・それぞれの厚みと配置を最適化した数種類の新型TESを準備した。X線源をもちいた試作機のテストの結果、FWHM 10eV以下のエネルギー分解能を達成する事に成功した。 並行して200素子のTESを同時に読み出す為に、マイクロ波読み出し回路の開発と導入を進めた。このために冷凍機内に50mKの極低温領域まで超電導ケーブルによる信号ラインを作成し、50mK領域にマイクロ波読み出しの為の共振器を設置した。テストの結果、共振器の動作確認に成功した。 またX線測定用TESの開発と並行して電子測定用可視光TESの作成を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
重イオン飛行時間による分別装置の試運転が実験予定の問題により、遂行できなかった。 当初の計画では開発した電子測定用eV TES新規構築したシステムに組み込み、荷電効果により発生する電子の信号が実際に観測できるか測定を行う予定であったが、冷凍機の故障および代替機の準備が間に合わず測定が出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
重イオン飛行時間による分別装置とTES検出器とを組み合わせたシステムを研究機関内に開発の目途をたてる。 その為に構築したX線測定用多チャンネルTESを米国から日本へ輸送して加速器上に設置、実用試験を行う。 また開発した電子測定用可視光TESのテストを行うため、国内研究機関の使用できる極低温冷凍機を調査する。
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Research Products
(6 results)