2020 Fiscal Year Annual Research Report
初期太陽系で生成した糖とそのキラリティー:生命構成分子の新たな起源の解明
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18H03728
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
古川 善博 東北大学, 理学研究科, 准教授 (00544107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大河内 直彦 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門, 部門長 (00281832)
力石 嘉人 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (50455490)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 糖 / リボース / 隕石 / アミノ酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
生命が使う糖はD体であるが、糖を化学的に合成するとD体とL体は等量生成する。生命がD体のみを使っているという事実は未だ解明されない科学的に非常に大きな謎である。一方、隕石に含まれる糖関連物質の鏡像異性体の存在比率がD体に偏っていることが報告され、生命の起源と隕石有機物をとの関連性が議論されている。しかし、隕石に含まれる糖は本研究で2019年に初めて検出され、鏡像異性体を分析する手法はなかった。隕石に含まれる糖の鏡像異性体の量比を明らかにすることは、生命の起源と地球外有機物の関連を明らかにするための最も大きなブレイクスルーとなり得る。 本年度は、これまでに開発を行っていた隕石試料に適合する糖の鏡像異性体分離手法を確立させた。これにより、世界で初めて隕石に含まれる糖の鏡像異性体分析が可能となった。分析は現在進行中であるが、手法の開発に予想以上の試行錯誤を要したため、その結果を報告するまでには至っていない。 一方で、本研究課題で隕石から検出した糖が13Cに富んでいること、それらの糖はホルモース型反応で生成したことを2019年に論文で発表したが、初期太陽系におけるホルモース型反応による有機物生成の研究を進め、ホルモース型反応が隕石の不溶性有機物やアミノ酸を作り出した主要な反応であったこと、13Cに富む隕石アミノ酸や隕石糖の原料は極低温環境からもたらされたものである必要が無いことを明らかにし、論文を出版した。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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