2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development on non-destructive characterization of extraterrestrial materials including organics
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18H03739
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
寺田 健太郎 大阪大学, 理学研究科, 教授 (20263668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 朗 大阪大学, 理学研究科, 助教 (40362610)
友野 大 大阪大学, 核物理研究センター, 特任助教(常勤) (40415245)
新倉 潤 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (50644720)
河井 洋輔 大阪大学, 理学研究科, 助教 (90726671)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ミュオン / 非破壊分析 / 特性X線分析 / 隕石 / イメージング / はやぶさ2 / 3次元分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本計画は、ミュオン非破壊分析の高度化を目指すものであり、(1)イメージングの取得、および、(2)低バックグラウンド化を開発の大きな柱に据えている。昨年度までに、(1)に関しては測定試料に照射するミュオン粒子の位置を検出する位置感応型マルチワイヤードリフトチャンバーを、(2)に関しては高純度ゲルマニウム検出器とBGOコンプトン抑制器からなるX線分光器を、製作してきた。 最終年度の2022年度はスイスの連続ミュオン施設であるポール・シェラー研究所(PSI)に上記2つのシステムを輸送し、πE1ビームラインに設置された現地のゲル マニウム半導体検出器アレイGEANTの中に組み込んだ。PSIの検出器システム、日本のゲルマニウム検出器、ドリフトチェンバーの3つそれぞれに独立のデータ収集系を構築し、共通クロック入力により時刻同期をとった。元素マッピングについては、チタンと銀から構成されるデモンストレーション用の試料を作成し、ここに約20kHzの強度で負電荷ミュオンビームを入射した。試料直前に配置したドリフトチェンバーでミュオンの入射位置を測定し、試料から放出されるミュオン特性X線の強度とエネルギーをゲルマニウム半導体検出器で測定する。この2つの情報を組み合わせることにより、1mm以下の位置分解能で試料内部の元素分布画像を得ることに成功した。さらに、実際の隕石の元素イメージング測定も実施した。隕石においてはミュオンビームの運動量を変えて複数の分析深さに対するデータを取得した。これにより、横方向2次元に深さ方向 を加えて3次元の元素分布が再構成できる。このデータは現在解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍のため海外ミュオン施設での実験が困難であったが、2022年8月に実現できた。予定通りのスペックのデータが得られた
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Strategy for Future Research Activity |
PSIで実施した一連の測定により、本研究で開発した高性能ミュオンX線分析システム開発が当初の性能を達したことを確認した。1粒子ずつのミュオンについてその位置と放出X線をカウントし、コンプトン散乱粒子を同時に測定しサプレスする本測定手法は、連続ミュオンビームでのみ使用可能なものである。開発したシステムおよび測定手法は大阪大学核物理研究センターの連続ミュオンビーム施設MuSICにおけるミュオンX線分析に活用するだけでなく、スイスおよびカナダの連続ミュオン施設でも使用される見通しである。2023年度は、大阪大学核物理研究センターの連続ミュオンビーム施設MuSICのマシンタイムが割り当てられており、引き続き実験を行う予定である、
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Research Products
(5 results)