2021 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of strong vertical mixing regions in the ocean interior caused by near-inertial motionsons on the basin scale circulation and material distributions
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18H03741
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
千手 智晴 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (60335982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒巻 能史 国立研究開発法人国立環境研究所, 地球システム領域, 主幹研究員 (00354994)
遠藤 貴洋 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (10422362)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 近慣性内部波 / 日本海 / 乱流混合 / 深層循環 / 係留観測 / 水塊変質 |
Outline of Annual Research Achievements |
懸案であった2点同時係留観測(短期集中観測)を2021年5月に大和海盆西部で実施した。この観測では、南北に約10km離れた2地点に流速計を鉛直的に密に配置し、観測点間を伝播する近慣性内部波の特徴を調べることを目的とした。当初はサンプリング間隔を極端に短くして数日で観測を終了する計画であったが、より長期間のデータを取得すべく、5月に係留し、8月に回収する計画に変更した。新型コロナウイルス感染拡大のため8月の回収は叶わなかったものの、10月の航海で無事に流速計を回収した。北方の観測点の上層の流れと、南方の観測点の深層の流れを比較したところ、近慣性周期変動のイベントの発生時期にわずかな時間差が認められ、北方の測点の上層で(風により)発生した近慣性内部波のエネルギーが、レイの形で南方の測点の深層に伝播したことが示唆された。また、この観測結果は数値モデル実験の結果とも矛盾しないものであった。
2020年11月に回収した大和海盆西部の流速計のデータを解析し、Senjyu & Shin (2021)で予測した上下に伝播する内部波の干渉に伴う水平流速の極小層を示すことに成功した。これは、上述した2点同時係留観測の結果とともに、深海に伝播した近慣性内部波が干渉というメカニズムを通して深層流を強化し、深海での海水混合を促進することを示唆している。
近年(2001~2019年)のArgoフロートデータと過去(1964~1985年)の船舶観測データを比較することにより、日本海全域で深層水(日本海上部固有水)が低密度化しており、構造的に変化していることを明らかにした。これは深海における水塊変質を示す結果である。また、深層水の形成域においては温暖化に加えて低塩分化が進行しており、冬季の海洋上層(~300m)の密度成層が強化されることによって、深層水が形成されにくくなっている状況が示された。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(15 results)