2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18H03747
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩森 光 東京大学, 地震研究所, 教授 (80221795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 哲也 東京工業大学, 理学院, 教授 (00467028)
中村 仁美 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (60572659)
西澤 達治 東京工業大学, 理学院, 研究員 (80826579)
石塚 治 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 上級主任研究員 (90356444)
石川 晃 東京工業大学, 理学院, 准教授 (20524507)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 沈み込み / 海山 / 島弧 / 火山活動 / カムチャッカ / 日本 / 南米 |
Outline of Annual Research Achievements |
海洋プレート上に存在する10万個以上の海山や海嶺・海台(以降、一括して海山)は、プレート運動によりいずれは海溝に衝突・沈み込む。海山の沈み込みは高頻度の普遍的現象であり、沈み込み帯の地震・地殻変動に大きな影響を与えている。近年、沈み込む海山の熱的・化学的作用により、予期せぬ場所に火山を生むなど、沈み込まれる側(島弧)の火山活動にも大きな影響を与えることが分かってきた。これらの影響をカムチャッカ、日本、南米を対象に研究を進めた。 溶岩試料の地球化学分析:天皇海山列の沈み込みにより生じたカムチャッカ半島のEast Cone火山群 [EC]の既存溶岩試料について、強新鉄性元素およびOs同位体比分析を行った。その結果、通常の海洋プレートの脱水成分に加え、海山のように比較的新鉄性元素に富むスラブ物質が関与している可能性が明らかとなった。 溶岩組成データの解析:カムチャッカ半島北部の溶岩約70試料についての主成分・微量元素・同位体組成分析が完了し、既存データと合わせて、カムチャッカ弧沿いの系統的な組成変化の有無や性質の検証を進めた。 日本での予備調査:カルデラ火山と非カルデラ火山が隣接する箱根・富士火山域を対象として、文献調査および予備野外調査を行った。またそれらのデータに基づき、機械学習手法を用いたデータ解析を進めた。その結果、 チリでの地球物理学的観測調査:拡大中の海嶺が沈み込んでいる南米チリについて、地震観測・熱学的観測を終え、機器・データ回収を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カムチャッカ半島の火山活動の研究については、初年度に調査・採取したEC火山群の試料輸送がコロナ禍で完了していないものの、既存代替試料を用いた分析・解析が進んだ。日本やチリにおける予備調査あるいは観測調査はほぼ予定通り進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
カムチャッカ半島EC火山群において採取した試料を日本に輸送し、室内分析・データ解析を行う。また、日本列島の火山については、箱根・富士地域の調査を進めると同時に、既存データの解析を引き続き継続・拡張し、組成の時空変化の特徴付けを行う。南米チリについては、地震観測・熱学観測データの回収・解析を行い、沈み込んだ海嶺の影響を、地震学的・熱学的・物質科学的な手法を合わせて検証する。
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Research Products
(18 results)