2018 Fiscal Year Annual Research Report
物理吸収・化学吸収を伴う高気相流量・高粒子濃度スラリー気泡塔の数値予測技術の開発
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18H03756
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
冨山 明男 神戸大学, 工学研究科, 教授 (30211402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 茂雄 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (10252793)
林 公祐 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (60455152)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 気泡塔 / 物理吸収 / 化学吸収 / スラリー |
Outline of Annual Research Achievements |
天然ガス有効利用技術として開発が進められている天然ガス液化技術(Gas to Liquid)やジメチルエーテル直接合成技術ではFisher-Tropsh合成反応塔、すなわち微粒子を固体触媒とする高気相体積率・高粒子濃度スラリー気泡塔が要となる。本研究では代表者らがこれまでに得たスラリー気泡塔・気泡ー液相間物質輸送・分散性混相流計測・計算技術の知見を統合し、物理吸収・化学吸収を伴う高気相体積率・高粒子濃度スラリー気泡塔の数値予測技術を開発する。このため本研究では、(1)物理吸収気泡塔実験、(2)化学吸収気泡塔実験、(3)要素モデル開発、(4)計算技術開発・検証を実施している。2018年度は当初計画に基づき、(1), (3), (4)について以下の通り実施した。(1)物理吸収による二酸化炭素気泡の溶解実験を実施し、液相の水質、電解質溶解量などが物理吸収速度に及ぼす影響を明らかにするとともに、物質移動係数を評価するための実験相関式を構築した。本成果を論文に纏め、国際学術雑誌にて公開した。(3)スラリー気泡塔の数値予測技術確立のために不可欠な気泡力学モデルとして、気泡抗力に及ぼすスラリーの影響を実験により明らかにするとともに、抗力係数相関式を構築した。本成果を論文に纏め、国際学術雑誌にて公開した。また、気泡抗力に及ぼす気泡形状・液相物性の影響についてもリモデリングを行い、学術誌への投稿を準備している。(4)代表者らが開発してきた多流体モデルー界面追跡ハイブリッド気泡塔シミュレータに、上述の新規知見を組み込み、当該数値予測技術の高気相体積率・高粒子濃度スラリー気泡塔への適用性を向上させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【研究実績の概要】に記載した通り、本研究の主軸である(1)物理吸収気泡塔実験、(3)要素モデル開発、(4)計算技術開発・検証のうち、2018年度に計画していた(1), (3), (4)に関する研究内容について当初計画に沿って実施しており、物理吸収のモデル化、気泡運動に及ぼす液相物性やスラリーの影響のモデリングについて学術的に価値のある成果を得るとともに国際学術誌上で発表し、また数値予測技術の高度化を順調に進められている。これらの成果を当初計画と達成目標に照らし、本研究は概ね順調に進展しているものと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度は概ね順調に研究を進められているため、2019年度も継続して当初計画に沿った研究を実施する。具体的には(1)物理吸収気泡塔実験では、実験データベースの拡充・スケーリングによる実験相関式の開発、(2)化学吸収気泡塔実験では実験装置の製作を進め、各種計測を実施、(3)要素モデル開発では気泡実験による物質移動係数モデリング、(4)計算技術開発・検証では計算技術の妥当性検証を行うとともに、(1)-(3)で得られる予定の新規モデルを随時組み込む。得られた成果を纏めて論文、学会等で公表する。
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