2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of integrated wire-less with wired high power rapid charger
Project/Area Number |
18H03775
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
伊東 淳一 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (90377218)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 急速充電器 / マルチセル方式 / DABコンバータ / 漏えい磁界 |
Outline of Annual Research Achievements |
電気自動車の有線充電及びワイヤレス充電の両者に適用可能な,次世代超急速充電器を開発することを目的とし,要素技術としてマルチセル方式を用いた高圧向け電力変換器の試作,高周波絶縁DC-DCコンバータの新たな制御方法の開発及び,漏えい磁界の低減が可能な新たなワイヤレス給電システムの開発を行った。 電力伝送の増加に伴い,システムの入力が高圧受電(6.6kV)となることが想定されるため,本研究では,セル方式を用いた新たな絶縁型三相AC-DC電力変換回路トポロジーを考案し,ミニモデルを用いた実証試験を行った。なお,実証試験に実施したミニモデルの定格電力は実システムの1/5(1.32kV)である。実証試験より,提案した新たな絶縁型三相AC-DC電力変換器により所望の動作が可能であることを確認した。 また,三相AC-DC電力変換器内で使用される高周波絶縁DC-DCコンバータでは,回路の入出力電圧比が大きい場合に回路効率が急激に低下するという問題があった。そこで本研究では,1次側にT形3レベルインバータを適用した絶縁型DC-DCコンバータに対して,入出力電圧に応じて動作モードを変更することで,入出力電圧比が大きい場合にもソフトスイッチングを維持することが可能となる新たな制御方法を開発し,実験機による検証を行った。実機検証により従来の変換器よりも高効率化が実現可能であることを明らかにした。 一方,ワイヤレス充電システムの開発では,大電力化によって問題となる漏えい磁界を抑制するため,新たな構造をもつワイヤレス給電システムを開発した。本システムは,三相交流によりワイヤレス給電を行うことに特徴があり,伝送コイルを複数に分割することで漏えい磁界の抑制が可能である。本システムの有用性を評価するため,出力電力22kWのシステムを開発し,電力伝送試験を実施した結果,システム効率91.5%を達成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開発状況は,申請時点に示した研究開発スケジュールにおおむね則って進展しており,おおむね順調であると判断した。 平成30年度から31年度第一四半期にかけて実施予定となっていた「有線充電器の要素技術開発」においては,電圧変動と負荷変動に対してロバストなDABコンバータとその制御法を開発し,実験機による検証が完了している。当初予定に則り,本成果を平成31年度中を目処に三相DABコンバータ回路に拡張することで,本マイルストーンは完了する。 また,平成29年度から31年度第二四半期にかけて実施予定である「ワイヤレス充電器の要素技術開発」では,漏えい磁界を低減可能な新たな三相コイルの開発が完了し,22kWシステムでの実証試験を終えている。平成31年度第二四半期をめどに,漏えい磁界低減効果の評価を実施することで本マイルストーンは完了しているとみなすことが可能である。 以上より,本研究は順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では,引き続き有線式とワイヤレス式の両者に適用可能な超急速充電器用回路トポロジーを開発する。まず,有線充電器の要素技術開発とし,これまで開発した電圧変動と負荷変動に対してロバストなDABコンバータの制御技術を絶縁型三相-DC電力変換器に応用し,超急速充電器の小型・大容量化の小型化を図る。また,ワイヤレス充電器の要素技術開発として,平成30年度に開発した三相ワイヤレス給電用コイルによる漏えい磁界の抑制効果の基礎検証を実施していく。 上記の有線式とワイヤレス式充電器の要素技術を統合することで,有線充電式とワイヤレス充電式の両者に対応可能な,セル方式絶縁型三相-DC電力変換器の試作機を開発し,50kW級ミニモデルによる実証試験を実施する。さらに平成32年度以降,超急速充電器のさらなる小型化を図るため,マトリックスコンバータ技術を応用したAC-AC直接変換形セルを適用することを検討する。
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Research Products
(13 results)