2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an integrated multi-scale coastal environmental modeling system for oceanic and climatic studies
Project/Area Number |
18H03798
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
内山 雄介 神戸大学, 工学研究科, 教授 (80344315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増永 英治 茨城大学, 広域水圏環境科学教育研究センター, 助教 (90779696)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 領域海洋循環モデル / 波-流れ相互作用 / サブメソスケール乱流 / 物質分散 / ネスティング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,変動環境下に適用可能な,砕波帯・陸棚・外洋をシームレスに接続するマルチスケール統合型沿岸環境解析システムの決定版とも呼ぶべき海洋モデリング技術開発を行う.本システムは,地球規模環境シグナルを厳密に考慮しつつ,人間活動や海洋生態系にとって重要な役割を果たす沿岸域における精緻な解析,海流,波浪,河川,潮汐,風応力等の浅海物理学に求められる全ての要素を包含した流動環境,それに伴う栄養塩等の溶存物質,土砂や生物幼稚子等の懸濁質分散・循環の統一的な動態解析などが可能な画期的なシステムとなる.さらに,海洋学において最先端の話題となっている海洋表層混合やそれに伴う気候変動モデルに対する波浪の影響について,中規模現象およびサブメソスケール現象を取り上げ,それらの定量的性質や発生機構に踏み込んだ数値解析を行うことを目指している. 1年目(2018年度)は,開発中のマルチスケールモデルの完成に向けた要素技術開発のうち,乱流モデルの高精度化や,波浪影響下の状況を含む複数の高解像度海洋再解析に取り組んだ.まず,和歌山田辺湾において台風期を含む夏季から秋季にADCP等の長期係留観測を行い,強風・高波浪下における海面での運動量および乱流エネルギー輸送などについて検討した.また,南カリフォルニア湾を対象に波-流れ相互作用を考慮したスペクトル波浪モデルによる長期再解析を行い,海流による波浪変調機構についての解析を行った.さらに,湧昇フロントに発生するSCSsに対する波浪の影響に関する解析,砕波帯に発生する3次元渦の発生発達過程に関する解析,サブメソスケール乱流拡散が福島第一原発を放出源とする放射性核種の海洋分散に及ぼす影響の解析,黒潮およびそれに伴う海洋渦がサンゴ礁生態系ネットワークの形成に及ぼす影響の解析,内湾域における下水道処理水の海洋分散と隣接するノリ養殖上への影響評価などを行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画で挙げていた強風下でのADCPデータの取得に成功し,海面過程に関する詳細な解析を進めたことに加え,継続して行っていた複数のプロジェクトを並行して実施し,6編のWoS論文を含む13編の原著論文として発表した.それらは,南カリフォルニア湾を対象に波-流れ相互作用を考慮したスペクトル波浪モデルによる長期再解析(Cao et al., 2018, J. Geophys. Res.),砕波帯に発生する3次元渦の発生発達過程解析(McWilliams et al., J.Fluid Mech.),福島第一原発を放出源とする放射性核種の海洋分散解析(Kamidaira et al., 2018, J. Geophys. Res.),海嶺地形による内部潮汐の生成機構(Masunaga et al., 2018, Geophys. Res. Lett.),サンゴ礁生態系ネットワークの形成過程(Uchiyama et al., 2018, J. Geophys. Res.),下水道処理水のノリ養殖上への影響評価(Uchiyama et al., 2018, Mar. Poll. Bul.)などである.
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Strategy for Future Research Activity |
2年目(2019年度)は,まずはネスティング技術の高度化に向けた研究を実施する.AGRIF(adaptive grid refinement for fortran)パッケージをベースにtwo-wayネスティング技術をROMS-WECに組み込むことを目指し,その技術的可能性についての検討を行う.検証用モデル対象海域は琉球諸島を含む東シナ海,もしくはマレーシアとの共同研究として2018年度から開始した南シナ海であり,JCOPE2再解析データ,HYCOM-NCODA再解析データからの多段段ネストモデルを構築し,観測データや衛星データとの比較を通じた検証を行う.その他にも並行して進めている河口域における混合粒径土砂輸送モデリング技術の高度精度化,3次元変分法およびカルマンフィルタ(LETKF)によるデータ同化技術の組み込み,海洋表層混合と生物生産性との関係に関する解析なども鋭意実施する予定にしている.
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[Journal Article] Residual effects of treated effluent diversion on a seaweed farm in a tidal strait using a multi-nested high-resolution 3-D circulation-dispersal model2018
Author(s)
Uchiyama, Y., Zhang, X., Suzue, Y., Kosako, T., Miyazawa, Y. and Nakayama, A.
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Journal Title
Mar. Pollut. Bull.
Volume: 130
Pages: 40-54
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Presentation] Storm-driven flood and associated coastal dispersal of suspended radiocesium from Niida River: A high-resolution numerical assessment with a coupled river-ocean-wave-sediment model2018
Author(s)
Uchiyama, Y., Aduma, K., Iwasaki, T., Odani, S., Kamidaira, Y., Tsumune, D., Shimizu, Y. and Onda, Y.
Organizer
European Geosciences Union General Assembly 2018 (EGU2018)
Int'l Joint Research
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