2022 Fiscal Year Annual Research Report
Moisture transport mechanism in cement-based materials under the first desorption process
Project/Area Number |
18H03804
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
丸山 一平 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (40363030)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | C-S-H / 乾燥 / 粘弾性 / 層間空隙 / 吸着等温線 |
Outline of Annual Research Achievements |
セメント系材料の水和と空隙構造の関係は過去100年近く研究がなされてきた。セメントの水和生成物であるC-S-Hは,乾燥によって変質が生じて空隙構造が変化すること,そのために,水蒸気や窒素吸着によって測定される表面が変化すること,そのために,真の表面がなにかについての議論は収束されず,実証的なデータは取得されてこなかった。本研究では,水和過程にあるさまざまなセメントペーストについて,1H-NMR Relaxometryによって測定した比表面積,水蒸気吸着BET比表面積,窒素吸着BET比表面積を測定し,後者2つの表面がなにに生じるものかを明らかにした。まず,セメント系の中に生ずる表面は,結晶構造に近い状態の層間(チャンネルとしては0.6nm以下,空隙A),次にC-S-Hの層間で比較的結晶としての積層が緩やかになっているもので1nm程度のもの(空隙B),C-S-Hの層間であるが構造不整を有し2nm以上の大きさをもっているもの(空隙C)である。これらのうち,1H-NMR Relaxometryではすべての表面が検出され,C-S-Hの比表面積は600~800m2/g程度の大きさを有する。次に,水蒸気吸着の試験では,空隙Bの一部および空隙Cが検出することができるのだが,前処理によって空隙Bの一部は乾燥によって層間が閉じて空隙Aに変化し,検出できなくなる。結果として,検出される比表面積は200mg/g程度になる。窒素吸着は,低温で測定することとプローブとなる窒素に極性がないことから多くの空隙に入ることができない。空隙Cのうち,特にOuter Productと呼ばれ,未水和セメントのもとの粒子表面より外側に析出して結晶成長したC-S-Hの空隙部分のみ測定が可能であると考えられる。これらは,結果として1H-NMR Relaxometryで測定される空隙Cとほぼ同様の量の比表面積となっている。
|
Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(9 results)