2019 Fiscal Year Annual Research Report
Dynamic Flow Control of Model Aircraft with Electric Micro Device and the Flight Demonstration
Project/Area Number |
18H03816
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
藤井 孝藏 東京理科大学, 工学部情報工学科, 教授 (50209003)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤松 浩 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (10370008)
関本 諭志 東京理科大学, 工学部情報工学科, 研究員 (50783817)
米田 洋 帝京大学, 理工学部, 教授 (60734506)
藤田 昂志 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (80774471)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 流体制御 / プラズマアクチュエータ / 飛行試験 / 塗布電極 / 風洞試験 / 数値シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
各要素研究とフライト実証という2つの目的に対する成果をまとめる. 電源の小型化・軽量化(要素研究1)は,前年度から実施してきた新規小型電源の特性をまとめ,小型電源が一定電圧レベル下で通常の大型電源に劣らない制御効果を発揮することを確認した.現在,さらなる改良に取り組んでいる.神戸高専では,別途の2つの昇圧方式を利用する電源の可能性を検討し一定の成果を得ている(国際会議発表).塗布電極の利用検討(要素研究2)については,基礎的な発光特性の確認を行った.引き続き,複雑電極形状に対応できる体制を整える.3次元翼を対象とした風洞試験(要素研究3)は,予定通り実施した.電極端の影響など別途実施の数値計算結果を支持する結果が得られている.帝京大では,少し低いレイノルズ数条件下で,2種の2次元翼型模型に関する風洞試験を実施,特に低レイノルズ数下で利用される翼型において本デバイス利用により顕著な空力特性の改善が見られた. フライト実証は,最終年度の統合試験に向けて2大学各々で研究を進めた.東京理科大は5月に既存模型飛行機によるフライト試験を実施した(米国航空宇宙学会などで発表).予定していた2度目のフライト試験は新型コロナウィルスの影響から延期となった.一方,帝京大は,グループでの議論を受けて専用の機体を制作,予備的フライト試験を実施した.搭載カメラによる気流糸による可視化,取得データなどから揚抗比などの観点でプラズマアクチュエータの効果を確認できている. これらと並行して,(1)機械学習を利用した制御効果向上に関する実験研究(2)3次元翼の翼端と電極端の影響評価,(3)プラズマ現象モデルの高度化,(4)巡航迎角での性能評価などのCFD研究を進めている.なお,本年度購入の小型高性能サーバーは,これらの高信頼性数値シミュレーションの実施に利用されている.以上,研究はほぼ予定通り進んだ.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績に記載の通り,計画のほとんどが予定通りに進み,いくつかの学会発表も実施できた.数本の学術誌論文や解説記事に加え,数本の論文が現在投稿済み査読中である.また,複数の研究内容に関して次年度の海外での発表が予定されている(新型コロナウィルスのためいくつかは延期).実験模型の制作,小型電源の特性計測,次年度の本格的なフライト試験用の模型設計なども進んだ.フライト試験については,予備的なフライトの実施など順調に研究活動が実施できている. 数値シミュレーション面でも,本年度購入の高性能サーバと大学情報基盤センターなどのスーパーコンピュータを利用することで成果が出ている.すでに数本の国際誌に論文投稿をおえており,さらに数本を準備中である.2019年度も初年度同様に全体として予定通りに研究を進められた.研究分担者もそれぞれの役割に沿って研究を進めることができている.以上,研究の進捗は順調であったと考えている. 最終年度に向けた議論をウェブ会議にて行っているが,本研究の中核は小型機によるフライト試験である.数値シミュレーションは何とか継続できるが,新型コロナウィルスによって当面は風洞試験やフライト試験やができない状況となっている.早朝の時間帯を利用するため冬のフライト試験は困難である.現状,できる範囲で準備作業を進めているが,秋以降までフライト試験を開始できないと研究遂行に大きな支障が出る可能性が残る.必要な機器の多くは準備済みであり,フライト試験の必要経費は旅費と消耗品など少額だが,フライト実証試験が秋までに実施できない場合は関連経費を残して1年の延長を申請させていただく可能性がある.
|
Strategy for Future Research Activity |
当初予定から大きな変更はない. 小型電源については,現在利用している小型電源の制作を依頼している増田研究所,常温プラズマの専門家である神戸高専の赤松教授,東京理科大の藤井,関本が共同でフライトに利用している小型電源の改良に取り組んでいる. 風洞試験は,東北大の藤田助教と理科大の関本PDを中心として進める.JAXA宇宙研の大山准教授(連携研究者)などの協力で宇宙科学研究所の惑星大気風洞における2度目の風洞試験の実施を計画している.新型コロナの問題がなければ,九州大学の安養寺准教授(連携研究者)に協力いただき,蛍光油膜を利用した可視化に取り組みたいと考えている. フライト試験は,予定通り,これまでの予備的フライト試験の成果をまとめ,東京理科大,帝京大,東北大が一体となって進める最終年度のフライト試験を実施する.特にフライト試験は,日の出が早く,大気が安定している時期に実施する必要があり,新型コロナウィルスによる行動規制がいつまで続くかが大きな課題となる. 数値シミュレーションは,前年度の延長線上で進められると考えている.
|