2019 Fiscal Year Annual Research Report
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18H03822
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土橋 律 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (30237177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑名 一徳 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (30447429)
茂木 俊夫 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (50392668)
KIM WOOKYUNG 広島大学, 工学研究科, 助教 (40781852)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ガス爆発 / 影響度評価 / 火炎伝ぱ / 自己相似 |
Outline of Annual Research Achievements |
ガス爆発被害を見積もるためには,火炎伝播速度の正確な予測が不可欠である。1立方メートル規模(一部8立方メートルの中規模)のガス爆発野外実験において、空気中の窒素をアルゴンなどの他の不活性ガスに変えたり、酸素濃度を変えた実験を行い、ガス爆発における火炎の不安定性要因を明らかにするためのデータを蓄積した。さらに、野外において水素ガス爆発火炎を可視化するための手法を検討した。 希薄水素空気混合気を用いて加圧水素爆発実験を実施し、水素爆発における火炎伝播の加速現象について検討した。火炎伝播の加速現象が始まる臨界火炎半径より火炎のスケールが大きくなるにつれて加速指数が大きくなる傾向が得られた。また、無次元火炎半径が約10を超えると加速指数がある限界値に漸近する傾向が得られた。 数値計算により簡便かつ正確に火炎伝播速度を予測する方法について検討を行った。層流燃焼速度を簡便に求める方法を検討するとともに、伝播火炎の位置を追跡するモデル方程式の導出およびその数値解法の開発を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
野外実験については、当初計画していた実験条件についてすべて行うことができなかったが、野外における火炎の乱れの可視化手法の開発を行うなどにより、次の実験に生かされる成果は得られている。 加圧実験では、希薄水素空気混合気ではと熱拡散不安定性により臨界火炎半径が小さくなり、無次元火炎半径と加速指数の関係から、水素爆発における火炎伝播の加速現象について検討した。 爆発影響度評価モデルの構築については、伝播火炎の位置を追跡するモデル方程式の導出およびその数値解法の開発を試みるなど、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
野外実験については、実施可能な範囲までスケールアップし、引き続きガス成分を変えた大規模ガス爆発実験を行い、火炎伝ぱの不安定性に及ぼす要因について明らかにするためのデータを取得を目指す。 加圧実験については、膨張率が火炎のフラクタル次元、火炎伝播の加速現象に及ぼす影響を実験的に明らかにする。 爆発影響度モデルの構築については、火炎伝播速度は火炎の不安定性による加速現象の影響を強く受ける。したがって、ガス爆発のリスク評価においても火炎の加速現象を考慮する必要がある。今後の研究では、可燃性気体の物性値から火炎の加速について計算できるモデルを構築する計画である。
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Research Products
(6 results)