2019 Fiscal Year Annual Research Report
Nondestructive diagnosis of buildings by frequency shifted terahertz waves
Project/Area Number |
18H03827
|
Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
水津 光司 千葉工業大学, 工学部, 教授 (20342800)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長 敬三 千葉工業大学, 工学部, 教授 (00633356)
内海 秀幸 千葉工業大学, 創造工学部, 教授 (10316804)
中林 寛暁 千葉工業大学, 工学部, 准教授 (20296320)
枚田 明彦 千葉工業大学, 工学部, 教授 (40500674)
陶 良 千葉工業大学, 工学部, 教授 (60327161)
佐藤 宣夫 千葉工業大学, 工学部, 教授 (70397602)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 非破壊診断 / テラヘルツ波 / 周波数シフト帰還レーザー / 距離計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
意図しない干渉信号を低減することでノイズ低減に成功した。かつ、EO検出のための基礎データとして、光干渉によるビート信号強度を観測し、THz波検出に必要な信号光強度を見積もった(水津)。コンクリートへの負荷応力を定量的に制御するために、ひずみゲージでの計測から力センサーからの算出に変更すると共に、計測系の再構築を行った(水津、内海)。 層状誘電体の裏にある金属サンプルのイメージング探査に挑戦し、誘電体による伝搬径路歪みの補正手法を提案しその効果を確認できた。超音波領域で低速移動物体の速度測定における自己相関処理の有効性を実験的に確認し、虚像の原因となる表面波成分の抽出のために周波数領域モデルの有効性を見出した(陶)。複数の仮想的アレー信号に変換する手法をTHz-TDS測定結果に適用し、ターゲット分離ができることを確認した。圧縮センシングの一手法であるFISTAにより、位置と反射電力を同時推定できることを確認した(長、中林)。アジマス方向に加えレンジ方向にTHz-POLSARを適用し、本手法によるレンジ方向における識別能力向上のための問題点を明らかにした(中林)。 表面粗さの異なるコンクリートの複素誘電率をTHzエリプソメトリーにより計測し、適用範囲を明らかにした。紙で覆われたコンクリート表面のサブミリ幅の亀裂の検知に向けて、近接場散乱を使用した非破壊ミリ波イメージングを実施した。紙の厚さやアンテナ高さを精密に制御することより、ミリ波像におけるひび画像のコントラストを 10dB以上向上することができた(枚田)。IMPATTダイオードによるTHz光源を、カンチレバー・プローブの走査領域下に直接照射できるようなアライメントを可能とする光てこヘッドを設計、作製した。ケルビンプローブ法による電位計測のための電圧フィードバック回路を再設計した(内海、佐藤)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
意図しない干渉信号を低減することでノイズ低減に成功し、ビート信号のSN比として、FSFレーザー光源に由来する理論限界値の約20dBを達成した(水津)。また、力センサーの計測値から応力を算出する方法を取ることで、負荷応力に比例したコンクリート屈折率変化の取得に成功した(水津、内海)。 THz-TDSの相関合成イメージング法において相関間隔のロバスト性向上のため複数相関間隔画像の合成手法を考案し検討した。時間反転法を用いたアレイ技術における開口幅が測定精度に対する影響について検討した。(陶)。昨年度提案した手法において、既存手法に対する位置推定精度の定量評価、仮想アレーの適切な生成位置の明確化を行うとともに、THz-TDS測定結果への適用時での分離性能の改善効果を確認した。また位置と反射電力の同時推定を目的とし、圧縮センシングの一手法であるFISTAに着目し、2ターゲットの位置と反射電力を同時推定できることをシミュレーションで確認した(長、中林)。THz-POLSARを用い、アジマス方向だけでなくレンジ方向に構造変化を持つターゲットの観測について取り組んだ。レンジ方向の観測には新たな校正量を求める必要があることが明らかになり、校正量を求めるために実スケールでの簡易FDTDシミュレーション法を考案した(中林)。 表面粗さの異なるコンクリートの場合、表面が鏡面以外の試料では、散乱の影響で複素誘電率が正確に求められないことが判明した。また、コンクリートからの反射信号の測定に、プローブアンテナと自動2次元スキャナを導入した。紙の厚さやアンテナ高さを精密に制御することより、ミリ波像におけるひび画像のコントラストを 10dB以上向上することができた(枚田)。ケルビンプローブ測定のシステムの小型化に成功し、サブTHz光照射下のコンクリート試料への観測を行った(内海、佐藤)。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続きEO検出によるビート周波数測定に引き続き取り組む。同時に、昨年度感度向上に成功したTHz波干渉計の工夫による高感度化を実施する。これらの方式を比較した上で、RF領域での電気信号処理を導入して高強度FS-THz波により実現する(水津)。かつ、昨年度に引き続き、コンクリートを対象として、内部空胞密度や乾燥過程における水分含有量をパラメータとしたTHz波帯における複素誘電率推定、および応力不可時の複素誘電率の変化など基礎的な材料評価を継続して実施する(水津、内海)。 THz-TDSのSN比向上のため、M系列変調信号の有効性についての実験的検討を行う。層状誘電体を介した場合でのTHzイメージングについての実験的検討を行う(陶)。ターゲット数増加による推定精度および偏波解析との複合による性能改善の検討を行う。また現在圧縮センシングをTHz-TDS測定結果に適用したときに生じているスプリアスの原因分析と改善法の検討を進める(長、中林)。レンジ方向に構造変化を持つターゲットの観測を確立するため、レンジ方向に層状変化を持つターゲットを用いて、測定および計算機シミュレーションより、レンジ方向での観測に必要な校正量の導出について検討を行う(中林)。 コンクリートの表面粗さと THz エリプソメトリーでの計測結果の理論的検討を行う。前年度に得られたひびでのコントラストが 10 dB 以上とれる計測条件でのミリ波像を撮像可能な自動計測系を構築し、コントラストが向上したミリ波像を実際に取得する。(枚田、水津)。かつ、コンクリートの水分含有および塩分含有に対する新たな評価手法として、THz波照射時の誘電緩和の変化を利用し、THz波照射時によるコンクリート中の水分子に関する情報取得を試みる(内海、佐藤)。
|