2019 Fiscal Year Annual Research Report
Method of Crystal Growth Informatics
Project/Area Number |
18H03839
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宇治原 徹 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (60312641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 正英 金沢大学, 総合メディア基盤センター, 教授 (20306533)
原田 俊太 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 准教授 (30612460)
岡野 泰則 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (90204007)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 結晶成長 / 機械学習 / 最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、素材開発のスピードを格段に向上させる素材プロセス・インフォマティクスを実現することであり、まずは超高品質SiC結晶成長を例に結晶成長インフォマティスの方法論を構築する。我々は溶液成長法を用いて圧倒的に高品質なSiC結晶を実現してきた。次は大口径化である。高品質化においては結晶成長表面に形成されるマクロステップ構造が鍵となる。しかし、適切なマクロステップを形成するためには、装置の制御パラメータなどの試行錯誤的な最適化というタフな段階が必要となる。本研究では、最初にマクロな溶液内流動とマクロステップ構造の関係を反映したマルチフィジクスシミュレーションを構築する。次に、機械学習を組み合わせることで、装置制御パラメータおよび装置構成を即座に検索するシステムを構築する。 我々はこれまでに、数百通りのシミュレーションデータを用いて機械学習を行うことで、流体力学シミュレーション結果を高速に予測する手法を確立してきた。当該年度は、さらに結晶成長界面におけるステップ構造の時間発展などをシミュレーションするモデルを新たに開発し、それらをダイレクトに予測するモデルの構築を行った。特に、この研究では平坦な結晶成長を行うことが重要であるが、このモデルを用いることで、適切な高温溶液の物性を予測すること可能となった。また、このモデルとマクロな温度・流れ・組成分布の予測と練成させることで、CFD計算から表面構造を予測するための基盤技術の構築もできた。 これらのシステムにより、大口径SiC結晶成長のための条件を機械学習により導き出し、実際に実験を行ったところ、当初予定であった3インチの結晶成長に成功し、さらには当初予定をはるかに超える6インチの結晶成長にも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当該年度の最大の課題は、マクロステップの形成過程のシミュレーションを完成させて、それをモデル化するところにあった。途中、繰り越しをする事態になったものの、モデル化に関しては完成させることができた。また、それを活用することで、当初予定していた3インチの結晶成長をはるかに上回る6インチの結晶成長を実現することもできた。そのため当初計画を大きく上回る進捗があったと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の課題は、さらなるモデルの高度化にある。まだ、現実とモデルが一致していない部分がある。これについては、さらに実験を重ねて、マクロステップ構造に関するデータを増やしていって、機械学習の精度を上げていく。これまで、観察に関してはすべて手動で行っており、マンパワーの課題があったが、それについては用いる装置を変更し、技術職員と連携することで解決していく。
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