2018 Fiscal Year Annual Research Report
Quantitative description of solid-solution hardening with mean-square atom displacement
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18H03842
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
乾 晴行 京都大学, 工学研究科, 教授 (30213135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸田 恭輔 京都大学, 工学研究科, 准教授 (20354178)
新津 甲大 京都大学, 工学研究科, 助教 (90733890)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 平均原子変位 / 固溶強化 / 降伏強度 / 熱活性化 / 転位 / 積層欠陥 / 動的摩擦抵抗 / 溶質原子 |
Outline of Annual Research Achievements |
最近,我々のシンクロトロンX線回折を用いた研究から,4,5元系ハイエントロピー合金の強度が構成元素の平均原子変位と強い線形相関があることを見出した.この事実は,ハイエントロピー合金のような高濃度合金では,個々の構成元素の周りの歪場は,隣接原子の配列の組み合わせにより多様に変化し,転位との相互作用の強さも原子スケールで変動するが,その固溶体強度は個々の構成元素の歪場(原子変位)及びその空間変動を正しく記述せずとも,構成元素の平均原子変位をパラメーターとして記述できることを強く示唆する.ハイエントロピー合金のみならず2元系,3元系の希薄および高濃度合金など種々の合金系につき,構成元素の平均原子変位と降伏せん断強度を極低温で求め,「せん断強度は歪んだ結晶格子から運動する転位が受ける動的摩擦抵抗により決定される」という新しい原理を検証することにより,これまで記述が不可能だった高濃度合金を含めて,希薄合金から高濃度合金まですべての合金系の固溶強度を構成元素の平均原子変位を主たる新規なパラメーターとして定量記述する新たな理論体系の確立を目指した. しかし,交付決定後約2ヶ月で,基盤研究(S)に内定したことによる重複受給制限により廃止とせざるを得なくなったため,研究に必要な消耗品,打合せ旅費,事務に係る人件費などを支出した時点で研究打ち切りとなった.
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
アメリカ合衆国オークリッジ国立研究所Easo P. George博士と,5元素からなる究極のハイエントロピー固溶体合金の強度及び変形機構に関して継続的に議論を行っている.また,ドイツ共和国ニュールンベルク大学のMathius Goken教授ともハイエントロピー固溶体合金の変形機構に関して共同研究に着手したところである.
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Research Products
(3 results)