2019 Fiscal Year Annual Research Report
Fabrication of Si composition for internal hydrogen generation and elimination of hydroxyl radicals
Project/Area Number |
18H03862
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 光 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (90195800)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蔡 徳七 大阪大学, 理学研究科, 講師 (20273732)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 体内水素発生 / シリコン製剤 / 酸化ストレス / ヒドロキシルラジカル |
Outline of Annual Research Achievements |
シリコン製剤の形成方法を検討することによって、腸内擬似環境であるpH8.3、36℃の環境下、1gのシリコン製剤から約1,000mLの水素を発生させることに成功した。水素発生反応は、24時間以上持続した。 シリコン製剤と弱アルカリ性水溶液との反応による水素発生反応後、シリコン製剤のFT-IRスペクトルを観測した結果、シリコン製剤を覆う酸化シリコン膜の表面に存在するSiH種及びシリコン製剤と酸化シリコン膜界面に存在するSiH種が多量に観測された。また、水を電気分解した際、水素と酸素発生に伴い、ヒドロキシルラジカルが生成することが分かった。水を電気分解する結果水溶液中の水素濃度が1ppm以上になっているにもかかわらずヒドロキシルラジカルが生成した結果は、水素分子とヒドロキシルラジカルの反応確率が低いことを示している。以上の結果から、シリコン製剤の表面に存在する水素原子がヒドロキシルラジカルの消滅に大きな役割を果たしていると考えた。 シリコン製の表面観測、特にXPS観測から、シリコン製剤の表面にはシリコンサブオキサイド膜、その上に二酸化シリコン膜が存在していることがわかった。 獣医との共同研究から、シリコン製剤には犬や猫のアトピー性皮膚炎、外耳炎、糖尿病等の治療効果があることがわかった。例えば、アトピー性皮膚炎を10年間以上患っていた犬に45日間シリコン製剤を摂取させたところ、アトピー性皮膚炎による皮膚の炎症がほぼ完治した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シリコン製剤の形成条件と表面処理条件を検討することによって、シリコン製剤の水素発生能を約1,000mL/gに向上できている。また、シリコン製剤から発生する発生期の水素(水素原子)が体内で発生するヒドロキシルラジカルの消滅に寄与していることを示唆するデータが得られている。
|
Strategy for Future Research Activity |
シリコン製剤からシリコンナノ粒子が分離した場合、それが血管に浸入して脳梗塞等の弊害を起こす可能性がある。シリコン製剤がたとえ血管中に浸入しても、それが溶解して弊害を及ぼさないことを証明する。pH7.4、37℃の血液中の擬似環境において、シリコン製剤と水との反応で生成する酸化シリコンが溶解して生成するケイ酸の濃度を、モリブデン黄法によって測定する。また、溶液中のトータルのシリコン量をICP-MSによって測定する。この2種類の測定によって、血中のシリコン製剤の溶解速度を求める。 シリコン製剤からの水素発生機構を、その表面状態の観測により求める。特に、水素発生反応に伴う表面状態の変化を、XPS、FT-IR、SEM、TEM等で観測して、水素発生機構を決定する。
|