2019 Fiscal Year Annual Research Report
Clarification of interface formation and electronic properties of power semiconductors through quantum theoretical computics
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18H03873
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
押山 淳 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 特任教授 (80143361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
洗平 昌晃 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 助教 (20537427)
松下 雄一郎 東京工業大学, 物質・情報卓越教育院, 特任准教授 (90762336)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | コンピューティクス / 密度汎関数理論 / デバイス界面 / エピタキシャル成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度における、手法開発の成果としては、密度汎関数理論(Density-Functional Theory: DFT)での運動エネルギー汎関数T[n]の、深層学習(ニューラルネットワーク)を用いた開発があげられる。これは従来手法であるKohn-Shamスキームにおける一電子軌道の導入を避け、高速計算(オーダーN計算)を可能にするスキームである[軌道不要密度汎関数法(Orbital-Free Density Functional Thoery: OFDFT)とよばれている]。ダイヤモンドの電子密度を教師データとして新たな汎関数を開発し、他の24の物質群(原子、分子、半導体、金属、イオン性物質)の構造的性質を高精度で再現することに成功した。 実空間CPMD(Car-Parrinello Molecular Dynamics)法の開発については、「京」コンピュータおよび「富岳」コンピュータにおいてチューニングが進み、日常的な計算資源を用いて、2000原子程度の原子群の熔融・クエンチ法によるアモルファス作成が、可能となっている。 これらの計算手法を応用し、SiCの表面ステップ構造を探索し、エピタキシャル成長中に最も頻繁に出現すると考えられるステップ構造を同定した。計算で得られたステップのエナージェティクスから、成長中のステップのモルフォロジーが解明された。またGaNのエピタキシャル成長の機構を解明する目的で、CPMDシミュレーションが実行された。その結果、Gaリッチな成長表面では、エピタキシャル成長温度に近づくと、表面Ga原子易動度が急激に上昇し、表面は2次元液体状態になることが判明した。成長機構を考えるうえで、従来見落とされていた重要な側面である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
OFDFTの運動エネルギー汎関数開発においては、令和元年においては研究者の確保ができず、進捗が遅れていたが、繰り越しを行い、令和2年4月から当初予定の研究者を雇用でき、その後、順調に開発が進み、transferability (一般性、汎用性)と高精度を併せ持つ汎関数の開発に成功した。 RS-CPMDによるアモルファス作成については、これまでの高速化、高度化により、1000原子超をターゲットとして、SiO2アモルファス作成が順調に進んでおり、第一原理MD計算としては、他に類を見ない大規模、長時間シミュレーションが進んでいる。 SiC、GaNのエピタキシャル成長機構の解明については、成長温度でのCPMD計算により、新たな二次元液体相が発見された。またSiC表面のステップ構造が明らかにされ、成長の舞台の同定が進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
深層学習を用いた運動エネルギー汎関数の開発により、高精度OFDFTスキーム開発に成功した。このスキームで計算コストを検証した結果、5000原子系までオーダーNが実現されていることを確認した。しかしながら、Nに対するスケーリングとはべつに、全エネルギーの電子密度汎関数微分方程式であるオイラー方程式を解く際に、その解の収束性が極めて悪いことが判明した。令和3年度にはこの収束性の改善に傾注する。その後、原子に働く力の計算部分をインプリメントし、高速オーダーN分子動力学法を確立したい。 RS-CPMDによるSiO2アモルファス作成については、データが2,3か月以内に出そろうと期待されるので、シミュレーションのパラメータの違いによるアモルファスの静的構造、動的因子の違いを系統的に明らかにし、シミュレーション技術の確立をはかりたい。 SiCエピタキシャル成長機構解明については、表面ステップ構造の同定が終了したので、次の段階として、エピタキシャル成長に寄与する原子・分子の表面テラス上での拡散、表面ステップ端での膜中への取り込み過程を令和3年度に解明する。 GaNエピタキシャル成長機構解明については、令和2年度にGaリッチ成長表面でのステップ構造の決定とそこでの窒素関連ユニットの取り込み過程解明が行われた(令和2年度の様式C-7-1参照)。本報告で得られた、成長温度での表面液体化を視野に入れ、有限温度でのステップ端取り込み反応の解明に進む。
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Research Products
(6 results)