2019 Fiscal Year Annual Research Report
Four-dimensional multimodal optical microscopy with nonlinear holographic parallel manipulation of cells
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18H03888
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
的場 修 神戸大学, 先端融合研究環, 教授 (20282593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
全 香玉 神戸大学, システム情報学研究科, 助教 (40814778)
粟辻 安浩 京都工芸繊維大学, 電気電子工学系, 教授 (80293984)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | マルチモーダル顕微鏡 / 4次元イメージング / 非線形細胞観察技術 / 非線形細胞操作技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,蛍光と位相の同時計測可能なマルチモーダルディジタルホログラフィック顕微鏡をタイムラプス可能なシステムに拡張し,蛍光タンパク質を用いて細胞核を蛍光標識したヒメツリガネゴケにおいて幹細胞化プロセスの可視化を試みた。幹細胞化プロセスを可視化するためには数日から10日間ほどの時間経過を観察する必要がある。そのため,時間的に安定した位相計測を実現するために,傾斜プリズムを用いた共通光路型に近い干渉計を導入し,位相揺らぎの標準偏差をマッハツェンダー型干渉計での0.2 radから0.01 radへと位相ゆらぎを20分の1に低減させることに成功した。この時間安定化させた一体化顕微鏡システムを用いて,溶液中を浮遊する蛍光ビーズとヒメツリガネゴケの位相と蛍光同時イメージング実験を実施した。位相,蛍光測定に関しては3本の学術論文を出版した。次に,2光子吸収を用いた細胞光操作に関しては,再生増幅器付フェムト秒レーザー光を用いて,3次元マルチ光スポットの作製を行なった。顕微鏡観察領域において均質な光スポットを形成するために,実験系において複数光スポットを観察するイメージング系を導入し,強度均一化を実現するためのフィードバック補正系の構築に取り組んだ。その他に,光スポット数,各スポット強度のパラメータを可変にするための方法を構築した。また、可変焦点レンズを用いてレンズやイメージセンサの機械的移動を伴うことなく,観察面の奥行き方向を移動させる系を構築した。フェムト秒レーザーによる集光スポットを用いて細胞にダメージを与える実験に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
蛍光と位相の同時計測可能なマルチモーダルディジタルホログラフィック顕微鏡を構築し,タイムラプス計測可能なシステムへの拡張は順調に進んでいる。位相測定及び蛍光測定の時間経過観察の安定化を達成している。これらの研究成果として,位相,蛍光計測に関しては3本の論文を出版した。また,細胞核を蛍光標識したヒメツリガネゴケを用いて幹細胞化プロセスの可視化に向けた生育条件を調べる実験を開始し,構築した実験システムにおいて幹細胞化発現を確認している。非線形光細胞操作に関しては,細胞に対して高出力ピーク強度をもつフェムト秒パルス光によるダメージを起こさせた段階である。これらの研究進捗状況から,概ね順調であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに構築した蛍光と位相の同時3次元イメージングシステムを用いて,タイムラプス計測により幹細胞化プロセスの可視化に基づく現象の解析を進める。また,構築した2光子吸収を用いたホログラフィックマルチ光スポット照射システムを用いて,細胞にダメージを与える光照射条件を系統的に調べることで幹細胞化を誘導する条件の抽出を試みる。
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Research Products
(15 results)