2018 Fiscal Year Annual Research Report
Broadband perfect infrared absorbers using three-dimensional metamaterials
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18H03889
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
田中 拓男 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, チームリーダー (40283733)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | メタマテリアル / 光吸収体 / 赤外光 / 赤外分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノコーティングリソグラフィ法ならびに反応性イオンエッチング法を使って,2枚の金属ナノフィンがナノメートルスケールのギャップを隔てて垂直に高密度に集積化された3次元Metal-insulator-metal(MIM)メタマテリアルを試作した.そして試作したMIMメタマテリアルの光学特性をフーリエ変換型赤外分光器を用いてそのスペクトルを測定することで評価した.具体的には,メタマテリアルを構成するMIM共振器の形状やサイズ,配置間隔,配向などに加え,光の入射角度や偏光に対する特性を評価して,光吸収特性を決めるパラメータを最適化を検討した.数値計算も平行して行い,MIM共振器間のクーロン相互作用に着目して,100%の光吸収特性を実現するための共振器の配置方法を明らかにした.その結果実験においても,MIMの共振波長において99.5%の光吸収率を実現することに成功した.また,MIMメタマテリアルをナノ流路チャネル内に集積化したデバイスを作製し,その中を流れる分子の赤外吸収スペクトルを高感度に取得できること,ならびにナノメートルスケールの空間に補足された分子は,バルクの分子と比較して特異な赤外吸収スペクトルが現れる事を実験で示すことができた.さらに,二酸化バナジウムを装荷したMIMメタマテリアルでは,その光吸収特性を利用して光をボロメトリックな手法で高感度に検出するデバイスや,磁性材料をinsulator部に挿入したMIM共振器では,その磁気異方性が増強されるといった現象を新たに見いだした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概要で述べたとおり,3次元MIMメタマテリアルを作製するための実験環境の構築と基本的な実験条件の洗い出しは完了した.試作したメタマテリアルの特性評価についても問題なく実施できている.また,電磁界シミュレーション環境も立ち上がり,MIMメタマテリアルの構造最適化も開始しており,研究はほぼ計画通り順調に進んでいる.未だMIMメタマテリアルの共振波長に限定されるが,99.5%の光吸収効率を達成できたことは,当初想定した以上の成果が得られた.また,ナノチャネルデバイスとの融合により有機分子を効率よく検出するデバイスの動作確認など計画した実験成果に加え,相変化材料を導入したメタマテリアルによる光をボロメトリックに検出するデバイスや磁気異方性の増強現象など新たな展開の可能性を示唆する結果も得られている.次年度の本格的な試料作製にあたり,マンパワー不足をどのように解決するかが課題であるが,適切な人材の確保を継続する.
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Strategy for Future Research Activity |
構築した実験環境を最大限に活用して,電磁界シミュレーションなどから得られた構造パラメータをもとにMIMメタマテリアルデバイスの試作を続け,その特性を評価しながら設計値やシミュレーションモデルにフォードバックすることで最適値を探す.平行して,有機分子の赤外分光検出実験も行い,提案したデバイスの有効性を理論と実験の両面から実証する.
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Research Products
(4 results)