2020 Fiscal Year Annual Research Report
Role of Hydration Water in Radiation Damage to DNA
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18H03891
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 真一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (20511489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室屋 裕佐 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (40334320)
横谷 明徳 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学領域, 統括グループリーダー(定常) (10354987)
平山 亮一 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 重粒子線治療研究部, 主任研究員(定常) (90435701)
佐藤 健 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30507091)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 放射線 / DNA / 時間分解測定 / 共鳴ラマン分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
「時間分解測定へのラマン分光の導入」では,電子線加速器と連動した時間分解共鳴ラマン分光装置の組み上げを継続した。レーザー光が散乱される際のストークスシフト(分子結合に対応した波長の変化)を利用するラマン分光に向け,レーザー,ミラー,レンズ,バンドルファイバ,ポリクロメータ,CCDカメラなどの位置合わせとタイミング合わせを行った。当初の想定に反し,放射線で生じる微かな変化を見分けるには測定系の感度と精度をさらに改良する必要があることが判明したため,レーザー筐体や試料セルの配置を変更した。また,レーザー光の形状を2軸で調整するためにシリンドリカルレンズも導入した。ラマン散乱は信号強度が非常に小さい上,放射線照射で生じる過渡生成物は10Gyの吸収線量であっても数マイクロmol/Lの濃度でしか生成しない(ppb領域の低濃度である)。したがって,共鳴現象を利用する必要がある。この共鳴は光吸収のある波長のレーザーを使うことで見られるため,波長可変レーザーの導入にも着手した。 「安定なDNA変異の高感度検出および定量」ではリン酸バッファやカセット型透析膜の利用によって確立した手法を用い,高純度な捕捉剤フリーのDNAに対するX線照射による損傷誘発を調べ,これを収率として定量的に評価した。さらに微量のアミノ酸(グリシン,システイン)を添加した際の防護についても検討を始めた。電気泳動後の染色の際には,紫外光励起が必要な臭化エチジウムの代わりに可視域のLED光でノイズ低減可能なゲルグリーンの活用も検討を始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
概ね当初の予定通り進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
繰り越しを適切に活用し,当初の計画に沿って研究を遂行する。
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Research Products
(9 results)