2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of single nano materials based on quantum beam and data science
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18H03895
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古澤 孝弘 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (20251374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室屋 裕佐 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (40334320)
岡本 一将 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (10437353)
大沼 正人 北海道大学, 工学研究院, 教授 (90354208)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 放射線、X線、粒子線 / 半導体超微細化 / シミュレーション工学 / 計算物理 / データ科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
半導体デバイスの大量生産では、非電離放射線領域の光を露光源として加工が行われてきたが、解像度が限界に達っしたため、代わって電離放射線領域にある波長13.5 nmの極端紫外光(EUV)が次期露光源として使われようとしている。EUVはN7もしくは7nmノードと呼ばれる解像度16 nmから実用化され、N2もしくは2 nmノードと呼ばれる解像度10 nm未満(シングルナノ)領域でも使い続けられることが期待されている。しかし、微細加工材料開発は解像度10 nmに大きな壁があり、開発のための学術基盤の早急な整備が必要である。本研究では、電子線加速器、EUV露光機、EUVFEL等の量子ビームを駆使しデータを収集するとともに、データ科学的手法を解析に活用することにより、シングルナノ領域で起こる放射線誘起反応を解明し、シングルナノ材料(2 nmノードに適用可能な20 nm未満の周期で10 nm未満のパターンを解像できる材料)を開発する。 本年度は、メタルレジストの反応初期過程、熱化電子の運動エネルギーの効果、放射線化学反応への界面影響、溶解挙動に与えるレジスト高分子分子量分布の影響を解明した。これら得られた知見に基づいた反応機構モデルにより、58000ケースのシミュレーションを行い、感度、解像度、ラインエッジラフネス、酸発生剤濃度、光分解性塩基濃度、脱保護反応の実効反応半径の関係を機械学習により学習し、レジスト性能向上に効果的な材料設計指針を得た。さらに、モンテカルロ法により得られた潜像データ23000ケースに関して、機械学習により、確率統計効果と特徴量の関係を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、2課題(レジスト材料中の素反応の解明およびシングルナノ材料の開発)、6項目に関して、それぞれ一定の成果が得られたため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
量子ビームによるイオン化で始まる一連のイメージ形成過程におけるマトリクス中でのイオン化、電子の熱化、電子移動、脱プロトン、プロトン移動、酸触媒反応、高分子溶解過程を前述の独自の手法により解明し、シングルナノ材料を開発する。本研究では、化学増幅型レジストを開発の起点とし、無機レジスト等への新規展開をはかる。化学増幅型レジストは水酸基を非極性基で保護した高分子と酸発生剤、クエンチャー(塩基)で構成される。露光により酸が生成し、露光後の過熱で脱保護反応を誘起し、高分子の極性を変化させることにより、現像液に対する溶解度変化を起こさせレジストとして利用する。具体的実施項目を下記に列挙する。 I.レジスト材料中の素反応の解明(H30-R4) 1) レジスト材料の初期状態の計測(初期状態の制御)2) 分子凝縮相における二次電子の熱化機構の解明(熱化距離の制御)3)高分子マトリクス中シングルナノ領域における放射線誘起反応の解明4)局所領域での化学反応の解明(分子拡散の制御)5)局所領域からの分子の溶解挙動の解明 II.シングルナノ材料の開発 現状のフォトレジスト材料開発では、過去の知見に基づき材料を合成、調合し、露光結果をSEMで観察、SEM像から評価指数(感度、解像度、ラフネス)を抽出し、試行錯誤により、性能の改善を行っていく。最適解を見つけるためには10の9乗回以上の試行錯誤が必要であるが現実的でない。シングルナノ材料の開発には、このような開発工程をデータ科学的手法により効率化することが必要であり、令和2年度は下記項目を実施する。 項目2.ニューラルネットワークを用いた機械学習による特徴量の決定と反応機構(関数)への関連付け(R3-R4)
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Research Products
(12 results)