2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study of Ultrafast Phenomena at Liquid Interfaces by Advanced Phase-Controlled Interface-Selective Nonlinear Spectroscopy
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18H03905
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
田原 太平 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 主任研究員 (60217164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二本柳 聡史 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 専任研究員 (30443972)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 界面 / 超高速 / 非線形分光 / 振動ダイナミクス / 反応ダイナミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでに位相制御した界面選択的非線形分光であるHD-VSFG分光法を開発し、さらにフェムト秒光励起を組み合わせて時間分解測定を実現した。本研究はこの新しい界面選択的超高速分光を駆使し、特に振動ダイナミクスの観点から「液体界面の分子は溶液中の分子とどのように違うのか」を明らかにすることを目的とする。本研究の内容をその一部とする基盤研究(S)が採択されたためこの基盤研究(A)は6月に廃止となったが、それまでの3ヶ月間に以下の研究活動を行った。 超高速現象の研究の中でも水素結合の動的挙動の解明は最も重要な問題の一つである。水素結合の強さはOH伸縮振動の振動数に鋭敏に反映されるが、水に代表される水素結合性の液体には様々な強さの水素結合が共存するため振動スペクトルのOH伸縮バンドの幅は広くなる。よって狭帯域の赤外パルスを用いて、この幅広いスペクトル中の特定の振動数のOH伸縮振動を光励起して振動基底状態のポピュレーションに穴をつくり(ホールバーニング)、それが時間とともにどう変化するかを観測することで水素結合ダイナミクスを調べることができる。我々はすでに空気/水界面について時間分解HD-VSFG測定を行い、この原理で界面水分子の水素結合ダイナミクスを観測可能なことを報告しているが(JPC Lett 2016)、その実験では時間分解能および感度が十分でなかったために、界面の水の水素結合ダイナミクスの全貌を明らかにするまでには到らなかった。そこで、振動励起光に用いる赤外光を狭帯域の赤外パルスから2つの広いバンド幅のパルス対に代え、その干渉を利用して時間分解HD-VSFGスペクトルの励起振動数依存性(すなわち二次元 HD-VSFGスペクトル)を測定する装置の製作に着手した。そして実際にフーリエ変換によって二次元スペクトルが得られることを確かめた。
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Research Progress Status |
30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
30年度が最終年度であるため、記入しない。
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