2020 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular analysis for a novel functional poly saccharide from insects and its application in aquaculture
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18H03960
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
三浦 猛 愛媛大学, 農学研究科, 教授 (00261339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 智恵美 広島工業大学, 環境学部, 教授 (90518002)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 機能性多糖 / 昆虫 / 養殖 / カイコ / ゼブラフィッシュ / マダイ / シマアジ / ブリ |
Outline of Annual Research Achievements |
シルクロースの経口投与によるメダカの腸および肝臓でのmRNAの発現変化を次世代シーケンサーにより解析した。次世代シーケンスによる解析の結果、肝臓では154遺伝子が統計学的に有意に発現変化し、そのうち69遺伝子がシルクロースにより発現が上昇、85遺伝子が減少、腸では154遺伝子が有意に発現変化し、そのうち95遺伝子が上昇、59遺伝子が減少した。これらシルクロースの経口投与により発現が変化するメダカの遺伝子のうち、肝臓で免疫に関わると考えられるBPI、HepcidinおよびHAF10、多価不飽和脂肪酸の代謝に関わるALOX15B、腸で免疫に関わると考えられるEPO、酸化還元に関わるAk-hydおよびATP産生に関わるES1の定量PCRによる発現解析系をそれぞれ構築して解析したところ、いずれの遺伝子に関しても、シルクロースの経口投与により有意に発現が上昇することが明らかとなった。 20系統のカイコのサナギのNO活性を測定したところ、系統による活性の違いは認められなかった。カイコサナギの部位によるNO活性の違いを調べたところ、脂肪体の活性が他の器官に比べて活性が高かった。また、カイコの糞中にも比較的高いNO活性が存在することが明らかとなった。 シルクロースの機能を調べる実験動物として、メダカに比べ摂餌行動が明瞭なゼブラフィッシュの利用を試みた。その結果、ゼブラフィッシュはメダカと同様シルクロースの投与によりエドワジェラ菌に対する抵抗性が向上すること、摂餌を明確に確認できることから、ゼブラフィッシュはシルクロースの機能性解析に適した実験生物であることが明らかとなった。 実際の養殖漁場で養殖魚に対するシルクロースの投与試験を行った。本年は、マダイ、シマアジおよびブリを用いて試験を行った。シルクロース投与によりマダイおよびブリの魚肉のドリップ量が有意に減少することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予定していた計画はほぼ遂行することができた。 これまでメダカをモデル生物として使用してきたが、メダカは、その摂食行動からシルクロースの給餌試験には適さない面を持っていた。そこで、実験室でのモデル生物としてゼブラフィッシュの使用を検討したところ、摂食行動は実験に適しており、エドワジェラ菌による強制感染試験にも適していることを示すことができ、今後の分子レベルでのシルクロースの機能解析の強力なツールとなり、予想以上の研究成果が期待できるため。
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Strategy for Future Research Activity |
実験室での解析に使用するモデル生物をメダカに加えゼブラフィッシュを使用し、予定通り計画を推進する。
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Research Products
(5 results)