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2019 Fiscal Year Annual Research Report

Approaches to standardization of humanized mice by transplanting human hematopoietic stem cells (HSC) and thymus generated from induced pluripotent stem (iPS) cells.

Research Project

Project/Area Number 18H03975
Research InstitutionCentral Institute for Experimental Animals

Principal Investigator

伊藤 守  公益財団法人実験動物中央研究所, 役員, 所長 (00176364)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 伊藤 亮治  公益財団法人実験動物中央研究所, 実験動物研究部, 室長 (60425436)
Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywordsヒト化マウス / IPS細胞 / 分化 / 造血幹細胞 / 胸腺
Outline of Annual Research Achievements

ヒトiPS細胞よりヒト造血幹細胞およびヒト胸腺を分化・増殖させ、これらを重度免疫不全マウスに接種することにより、マウスの中でヒト免疫細胞が機能するヒト免疫系マウスを作製するのが本研究の目的である。初年度と同様、分化の条件出しを行い、一部は免疫不全NOGマウスへの移植を行った。造血幹細胞分化に関しては、既報のSugimuraらの方法(Sugimura R et al. Nature. 2017)を基礎として分化誘導を行った。方法としては、StemFitを培地として胚様体を作製し、それをEssential 8、Essential 6を基礎とした培地に様々な分化因子と共に培養した。分化誘導8日目の分化細胞のうちCD34を発現する細胞をMagnetic sorterで分離し、さらに分化因子を加え、1週間分化させた。その結果、培養開始後15日で、20~40%の細胞がCD45+細胞となった。しかしながら、分化8日目のCD34+細胞の1 x 10^6 cellsをX線照射免疫不全NOGマウスの尾静脈内に接種したが、移植後8週目の検索でもヒト造血細胞は検出できなかった。胸腺上皮細胞への分化に関しては、Sunらの方法 (Sun X et al. Cell Stem Cell, 2013)の方法の変法で実施した。すなわち、 タカラバイオ Cellaris Definitive Endoderm(DE)分化キットでDEまで分化させ、その後Matrigel上でX-VIVO培地を基礎培地として、これに分化因子を段階的に加えることにより、胸腺上皮前駆用細胞 (TEPC)まで分化させた。胸腺上皮前駆用細胞に発現するEpCAM、CXCR4等の発現をFACSで解析したところ、未分化iPS細胞からのTEPC様細胞への分化が確認できた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

昨年に継続して、ヒトiPS細胞の培養、分化の条件出しを行った。iPS細胞から造血幹細胞への分化誘導では、未分化状態のiPS細胞からCD34+/CD45+/-細胞の造血幹細胞様の細胞が得られている。これら細胞分化に伴う未分化、分化で発現する分子をFACSおよびRT-PCRで確認した。未分化マーカーであるNANOG、SSEA4やTRA-1は分化誘導にしたがって発現が消失し、造血幹細胞(HSC)のマーカーであるCD34やCD45の発現が認められるようになった。しかし、免疫不全NOGマウスに移植しても、移植後8週目ではマウス末梢血、脾臓、骨髄中にヒト造血細胞は観察できなかった。また、分化誘導15日以上培養すると細胞がCD34+からCD34-/CD45+細胞に分化することから、培養し過ぎると造血幹細胞の形質を失うことが示唆された。SugimuraらはiPS由来HSCの免疫不全マウスへの移植する際に、多様な造血細胞を分化させるために、移植分化細胞に7因子(ERG, HOXA5, HOXA9, HOXA10, LCOR, RUNX1, SPI1)をLentivirusで導入している。そのため、我々の培養後15日目の分化細胞での7因子の発現の有無をRT-PCRで確認したところ、ほぼ全ての因子の発現が認められた。また、本培養条件で得られるCD34+/CD45+細胞数は5%と少なく、マウス当たり1 x 10^6 cells以上の細胞を移植するためには、多数の造血幹細胞様細胞を取得する培養法を確立する必要があると思われる。
胸腺上皮細胞(TEC)への分化に関しても、iPS細胞から胸腺上皮前駆用細胞 (TEPC)までの分化が可能であることが分かった。しかし、TEC様細胞へは共培養するヒト胎児線維芽細胞(HEF)が必要で、その細胞の入手ができず、それに替わるヒト線維芽細胞での検討を行っている。

Strategy for Future Research Activity

造血幹細胞様細胞への分化は一定の結果が得られているが、実際に免疫不全マウスへの移植法を検討する。移植する細胞数を増やすためのスケールアップした培養法の検討、骨髄内移植法の検討、および研究分担者が現在作製しているKit変異を導入した新しい免疫不全マウスへの移植などを検討する。昨年度作製した4(ERG, HOXA5, HOXA9, HOXA10,または3遺伝子LCOR, RUNX1, SPI1)を導入した2Lentivirus vectorでの感染性を検討したが、十分な感染性を持っていなかった。感染方法の検討、またはvector plasmidの変更を考える。
胸腺上皮細胞(TEC)への分化と胸腺形成に関しては、iPS細胞から胸腺上皮前駆用細胞 (TEPC)までの分化が可能であることが分かったので、TEPC細胞と共培養するヒト新生児線維芽細胞を入手が難しいHEFの代替として検討する。Spheroidの作製後、免疫不全マウスの腎被膜下または皮下に移植し、胸腺形成が可能か否かを検討する。この際にiPS細胞より分化させた造血幹細胞様細胞(できれば、T細胞)との混合移植も実施する。
以上の試みを行い、本年度中にヒト化マウス作製の目処を立てたい。

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Published: 2021-01-27  

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