2018 Fiscal Year Annual Research Report
Temporal coding of single cell signal transduction
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18H03979
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒田 真也 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (50273850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞鍋 康子 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (60467412)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 1細胞 / 自動認識 / 確率的ゆらぎ |
Outline of Annual Research Achievements |
さまざまな細胞機能や疾患発症に関わるシグナル伝達は、細胞機能の情報を一過性や持続性、周期性などの時間パターンにコードすること(時間情報コード)により多彩な生理機能を制御する。本研究では、生体内において1細胞レベルでのシグナル伝達の時間情報コードを解析する。 本年は1細胞観測において必須な技術である細胞の自動認識手法の開発を行った。まず二値化した時系列画像を足し合わせることによりmyotubeと未分化細胞のこのコントラストを向上した。これによりmyotubeのみを選択的に同定した。Myotubeは多核なのでwatershed segmentationのマーカーとして適さないため、Myotubeの中心領域をmarkerとして用いることでmyotubeの適切な同定を可能にした。myotube間の領域は未分化細胞が占めているので背景領域の同定が難しいため、混合ガウスモデルを用いることで、背景領域を同定することなく背景補正を行った。この手法によりmyotubeの自動認識に成功した。その手法を用いて、個別myotubeのインスリン刺激時S6K活性時系列を定量し、いくつかの時系列の特徴の用量依存性が細胞集団と個別とで異なることを示した。本手法は機械学習のように多くのサンプル数を必要としない点が大きな特徴である(井上ら、Cell Struct Funct. 2018)。また、先行的に理論的な解析を行い、細胞のもつ確率的なゆらぎが逆にロバストな情報コードを実現するのみ役に立っていることを見出した(鳥取ら、Biophys. J, 2019)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はC2C12細胞を用いて1細胞レベルでの応答を計測することにより情報伝達の特性を解析する。まず電気刺激の電圧を10条件に変えて、繰り返したmyotubeでのCa2+上昇の1細胞通信路の情報量を計測する。これを細胞集団を通信路とみなした場合と、1細胞ごとに区別した通信路の情報量をしらべて、細胞のばらつきがもたらす情報量の特性を明らかにする。また、ミトコンドリア内のATPの量を測定して、速筋と遅筋との対応も検討する。
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Research Products
(2 results)