2020 Fiscal Year Annual Research Report
高次生命現象を制御する鋳型非依存的RNA合成酵素の構造と機能
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18H03980
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
富田 耕造 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (00345274)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 構造 / RNA / 機能 / X線 |
Outline of Annual Research Achievements |
U6 snRNAおよびSAM合成酵素(Mat2A) mRNAをメチル化する酵素であるヒト由来METTL16の脊椎動物に存在するC末端側ドメイン(VCR)が、U6 snRNAのウリジル化酵素であるTUT1に見いだされたRNA結合ドメイン、KA-1と非常に似た構造であることを見出し、VCRがU6 snRNA認識に必要であることをX線結晶構造解析、生化学機能解析により明らかにした (Nucleic Acids Re. Aoyama and Tomite et al., 2020)。また線虫においてU6snRNAおよびSAM合成酵素のスプライシングサイトをメチル化するMETTL10についてもその触媒ドメインMTDの構造解析に成功した。また、アミノアシルtRNAをアセチル化することにより翻訳阻害を起こすAtaT毒素のin vivoの基質を明らかにし、tRNAとの複合体構造の決定に成功し、生化学的解析と合わせることにより、AtaTの基質アミノアシルtRNA認識の分子基盤を明らかにした(nature communications, Yashiro and Tomita et al., 2020)。また、Ile-tRNAIle特異的と報告されていたItaTの構造解析にも成功し、in vivoの基質を明らかにし、その基質認識の分子基盤を提唱した(Nucleic Acids Res. Zhang and Tomita et al., 2020)。それ以外に、サルモネラ由来のTacTとtRNA複合体構造の決定、また大腸菌のAtaT2の構造決定などに成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度はヒト由来メチル化酵素METTL16の構造決定、機能解析に成功し、さまた、アミノアシルtRNAを標的とする毒素の構造解析、およびtRNAの複合体の解析に成功した。いぞれの研究成果について学術論文として発表した。さらに、線虫由来のメチル化酵素の構造決定に成功するとともに、アミノアシルtRNAを標的とする別の毒素の構造決定に成功し、またtRNAとの複合体の構造解析にも成功しており、予想以上の成果であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、線虫由来のメチル化酵素METTL10の構造をもとにした機能解析を進めるとともに、RNAとの複合体の解析を進める。またTacTとtRNAの複合体構造をもとにした、機能解析、およびAtaT2の構造をもとにした機能解析をすすめる予定である。
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