2018 Fiscal Year Annual Research Report
反応場に着目したpiRNA生合成過程の生化学的解析
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18H03982
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
泊 幸秀 東京大学, 定量生命科学研究所, 教授 (90447368)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | piRNA / PIWI / 反応場 |
Outline of Annual Research Achievements |
piRNA生合成の最終過程となる3'末端の削り込み反応を担うエクソヌクレアーゼTrimmerを、CRISPR/Cas9を用いてノックアウトしたカイコBmN4細胞の樹立に成功した。その結果、本来28塩基程度の長さを持つ成熟piRNAはほとんど検出されなくなる一方で、32-42塩基程度のpiRNA前駆体と思われるものが蓄積することが確認された。そこで、それらのpiRNA前駆体様のRNAを次世代シーケンサーを用いて解析したところ、3'末端がウリジン(U)の手前で切断されたと思われるものが比較的多く含まれていることが判明した。また、piRNA前駆体のすぐ後から別のpiRNAが作られやすいことも明らかとなった。これらの特徴は、Trimmerノックアウト時に蓄積している32-42塩基程度のRNAが、Trimmerの上流で働くと考えられているエンドヌクレアーゼZucchiniの切断直後の産物であることを示唆していた。 そこで、TrimmerノックアウトBmN4細胞から粗抽出液を調整し、試験管内でPIWIタンパク質に取り込ませた長いRNAに加えてみたところ、たしかに成熟体piRNAよりも少し長いところでRNAが切断されること、また、この切断は弱いながらもUの手前を好むことが確認できた。 以上のことから、エクソヌクレアーゼTrimmerのノックアウト細胞抽出液を用いることによって、その上流ではたらくエンドヌクレアーゼZucchiniが生体内で本来持っている活性を忠実に再現できる試験管内系が初めて構築できた可能性が高く、今後piRNAの生合成過程を解析するに当たって有用なツールになると思われる。
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Research Progress Status |
30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
30年度が最終年度であるため、記入しない。
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