2020 Fiscal Year Annual Research Report
細胞競合と接触阻害を統合的に制御する分子メカニズムの解明
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18H03994
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 恭之 京都大学, 医学研究科, 教授 (50580974)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | COL17A1 / CD44 / 上皮多層化 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究で多層化に関わっていることを突き止めたCOL17A1とCD44について、COL17A1ノックアウト、あるいはCD44ノックダウンの効果を調べた。すると、COL17A1/CD44発現低下細胞では、管腔側へ逸脱した変異細胞の細胞死が顕著に亢進することが分かった。また、管腔へ逸脱したCOL17A1/CD44発現低下細胞は、アポトーシスではなく、フェロプトーシスによる細胞死によって上皮細胞層から排除された。 COL17A1/CD44発現低下細胞のフェノタイプについて、さらに解析を重ねた。すると、COL17A1/CD44発現低下細胞では、ミトコンドリアの内膜の電位差が上昇し、ミトコンドリア由来のROSの発生が亢進し、それが管腔へ逸脱した細胞のフェロプトーシスを引き起こしていることが明らかになった。 分子メカニズムをさらに明らかにするために、メタボローム解析を行った。RasV12変異細胞とCOL17A1ノックアウトRasV12変異細胞における代謝物の比較解析を行ったところ、様々な代謝物の含有量がCOL17A1ノックアウトRas変異細胞において変化していることが明らかになった。例えば、TCAサイクルの代謝物の多くが低下している一方、コハク酸が上昇していた。また、GABAのレベルが低下しているとともに、GABAシャントに関わる複数の酵素のmRNA発現が亢進していることからコハク酸の上昇はGABAシャント経路によって生じていることが示唆された。さらに、ミトコンドリア complex-Iの阻害剤であるRotenone投与によってCOL17A1ノックアウトRasV12変異細胞におけるミトコンドリアが産生するROS量が減少した。これらのデータは、コハク酸量上昇に伴って、ミトコンドリア complex-Iにおいて電子移行が逆行し、その結果ROSが産生されるというメカニズムを示唆している。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)