2018 Fiscal Year Annual Research Report
幹細胞における細胞周期制御と代謝系との連関に関する基盤的研究
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18H04000
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中山 敬一 九州大学, 生体防御医学研究所, 主幹教授 (80291508)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 細胞周期 / 幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸管幹細胞におけるp57の機能解析を実行するため、p57遺伝子発現可視化マウス、p57コンディショナルノックアウトマウスおよびp57陽性細胞破壊マウスを作製した。その結果、造血幹細胞特異的に発現する静止期維持因子p57が、腸管においても「+4ポジション幹細胞」に非常に高い特異性をもって発現していることを発見した。腸管特異的p57コンディショナルノックアウトマウスの解析から、p57は+4ポジション幹細胞における静止状態の維持、ならびに幹細胞自体の維持に必須であることが明らかとなった。さらに、5-fluorouracil (5-FU) を用いた腸管傷害実験から、+4ポジション幹細胞は腸管傷害に耐性でその後の腸管上皮再生における責任細胞となっていることが示唆され、p57欠損により傷害後の腸管再生能は顕著に低下することがわかった。これらの結果から、p57は+4ポジション幹細胞の静止状態の制御を介して、腸管上皮全体の恒常性維持に寄与していることが示唆された。これらの知見は、p57が+4ポジション幹細胞の特異的かつ機能的なマーカー遺伝子となりうることを示している。そこで我々はp57陽性細胞の「系統追跡マウス」を作製し、真の腸管幹細胞の遺伝学的証明と、全身組織における幹細胞探索への応用を目指して研究を進めている。また腸管腫瘍についてもAPC欠損モデルマウスとわれわれが作製したモデルマウスの交配を進め、p57陽性細胞が幹細胞性を持っていることを突き止めた。今後はオルガノイド技術を駆使して、p57の機能阻害を起こすような低分子化合物を探索することを計画している。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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