2018 Fiscal Year Annual Research Report
Geographical patterns of species, phylogenetic and tirait diversities in trees of Southeast Asia
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18H04011
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
矢原 徹一 九州大学, 理学研究院, 教授 (90158048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陶山 佳久 東北大学, 農学研究科, 准教授 (60282315)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 熱帯林 / 種多様性 / 東南アジア / クスノキ科 / 分子系統 / 新種 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、(1)東南アジア産熱帯樹木の系統関係を構築し、多様化に貢献した要因を系統樹にもとづいて解析すること、(2)形質データベースを構築し、分類学と生態学を結びつけること、(3)ベトナム南部熱帯山地林に設置した森林プロットで開花フェノロジーの調 査を行い、異なる年に開花することによる「咲き分け」によって高い種多様性が維持されているという仮説を検証すること、を目的としている。本年度は、研究開始までに得たDNA資料をもとに、クスノキ科・ブナ科を対象にMIG-seqによる系統解析を進めた。その結果、クスノキ科では、ベトナム南部Bidoup Nui Ba国立公園において、シロダモ属とバリバリノキ属の中間に位置する所属が確定できない未記載種があることが確認された。また、ブナ科においては、やはりBidoup Nui Ba国立公園において、コナラ属アカガシ亜属の系統樹の根元で分岐する未記載種が確認された。これらの結果から、ベトナム南部山地はインドシナ半島で種多様性がもっとも高いだけでなく、系統的に古い種が分布する地域であることが明らかになった。一方で、クスノキ科・ブナ科を対象にしたMIG-seqによる系統解析をさらに進めるうえで、未採集の種についての補足調査が必要であることが判明したため、マレーシア(8月)およびミャンマー・タイ・カンボジア(10月)で標本採集調査を行った。(2)についてはバリバリノキ属を材料として、形質データベースのフォーマットを作成した。(3)については、ベトナム南部Bidoup Nui Ba国立公園において5地点に森林プロットを設置し、開花フェノロジーについての調査を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究を予定どおり遂行している。
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Strategy for Future Research Activity |
予定どおり研究を遂行できる見通しである。
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