2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18H04017
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
二木 史朗 京都大学, 化学研究所, 教授 (50199402)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 細胞内送達 / 抗体 / エンドソーム不安定化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究に先立ち、研究代表者らは、クモ毒由来の溶血ペプチドに改変を加え、抗体などのバイオ高分子の細胞内移行を促進するペプチドL17Eを開発した(Nature Chem. 2017)。本研究では、L17Eの構造の改変、ならびに抗体との細胞への投与法の検討を通じて、抗体の細胞内導入効率の向上ならびに使用量の低減をはかることを目的とした。L17Eの構造の改変、ならびに抗体との細胞への投与法の検討を通じて、抗体の細胞内導入効率の向上ならびに使用量の低減をはかることを目的とした。L17Eの細胞膜透過促進機序を詳細に検討した結果、L17Eは、エネルギー依存的にエンドサイトーシスの極めて初期の段階に生理活性タンパク質や抗体を細胞内に送達することを見出した。L17Eのエンドソーム不安定化能を一層高めた誘導体HAadを設計するとともに、このペプチドの末端にピレンブチリル基などの膜へのアンカー分子を導入することで、一層効果的な送達が可能になり、使用するペプチド濃度は1/20に、抗体量もL17Eを用いた場合の1/10以下にすることが出来た。HAadを用いて、マウスの脳室内にタンパク質を導入可能であることを示した。一方、新規マクロピノサイトーシス誘導ペプチドSN21を開発し、このペプチドとエンドソーム溶解ペプチドLK15とのコンジュゲートを用いて、抗体などのタンパク質や、siRNA、プラスミドなどの細胞内への効率的送達が可能であることを示した。SN21の構造活性相関により、より高いマクロピノサイトーシス誘導能をもつ8アミノ酸ペプチドP4Aを見出した。このペプチド中のシステインの活性発現における重要性を示すと共に、LK15ペプチドとのコンジュゲートLK15-P4Aを用いて効率的な細胞内送達が可能であることを示した。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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