2020 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on the function of the lipid droplet surface
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18H04023
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
藤本 豊士 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (50115929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大崎 雄樹 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (00378027)
辻 琢磨 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (40725628)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脂肪滴 / ホスファチジルコリン / オートファジー / CCT |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究により、アミノ酸飢餓でオートファジーが誘導された細胞においては、新規に合成されたホスファチジルコリン(PC)がオートファゴソーム膜に優先的に取り込まれることが明らかになった。またPC合成の律速段階を触媒する酵素CCTのアイソフォームの一つであるCCTβ3は、通常培養条件下では細胞質にびまん性に存在するが、短時間(1~2時間)飢餓時にはオメガソームなどのオートファジー関連構造に、長時間(8時間~3日)飢餓時にはオートファジー依存性に形成された細胞質脂肪滴にリクルートされることが分かった。CCTの他のアイソフォームCCTα、CCTβ2はそれぞれ核質、細胞質にあり、CCTβ3のような分布変化を示さなかった。一方、アミノ酸を含む通常の培地で培養した細胞に不飽和脂肪酸を付加して作らせた細胞質脂肪滴にはCCTβ3は結合しなかった。 CCTβ3の過剰発現は長時間飢餓の細胞でのオートファゴソーム形成やオートファジー活性を増加させ、CCTβ3のノックダウンはオートファゴソーム形成やオートファジー活性を減少させた。また骨肉腫由来のU2OS細胞においてCCTβ3を欠損させると、長期飢餓時のオートファジー活性が減弱し、それに伴って細胞の生存率が著しく低下した。 以上の結果から、長期間飢餓状態におかれた細胞では、オートファジーによる自己成分の分解が脂肪滴形成とCCTβ3活性化を引き起こすことにより、オートファジーの継続に必要なPC合成の活性化をもたらすと考えられた。 我々は先に小胞体ストレス下の肝細胞で形成される核内脂肪滴にCCTαが結合して活性化され、PC合成を増加させることを報告した。今回の結果と合わせ、特定の条件で形成された脂肪滴がそれぞれ異なるCCTアイソフォームの活性化を通じて、状況に応じたPC合成の調節に関わることが明らかになったと言える。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)