2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study for MIERU-KA of proton irradiated dose observing technique in patient body
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18H04044
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
西尾 禎治 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (40415526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲庭 拓 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 加速器工学部, チームリーダー(定常) (10446536)
阿蘇 司 富山高等専門学校, その他部局等, 教授 (30290737)
梅垣 菊男 北海道大学, 工学研究院, 特任教授 (40643193)
中川 恵一 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80188896)
溝脇 尚志 京都大学, 医学研究科, 教授 (90314210)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 陽子線治療 / 体内中陽子線線量分布可視化 / 標的原子核破砕反応 / 患者体内中陽子線線量分布観測システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の核となるActivity分布活用線量分布推定法の研究開発は、知財として申請していた線量分布推定法が登録された(特許第6635476号:線量分布予測システム、線量分布予測方法及び線量分布予測プログラム)。その知財化された陽子線線量分布推定手法を機能化したソフトウェア開発を行った。Activity分布活用線量分布推定法の機能の検証は、ポリエチレン、水ターゲット及び製作した人体模擬への陽子線照射実験によって実施した。ターゲットへの陽子線照射中及び照射後にActivity分布実測データをBOLPsで取得した。Activity分布活用線量分布推定法を機能化したソフトウェアの入力データとして取得したActivity分布実測データを用いることで、陽子線線量分布の推定を行った。実測Activity分布データから推定された陽子線線量分布データと治療計画装置等で計算された陽子線線量分布データを比較検証した。生成ポジトロン放出核分布高速計算処理法の研究開発では、MLEM法を活用したActivity分布の高速計算処理機能のソフトウェア作成を行った。陽子線照射実験によりBOLPsで取得したActivity分布実測データを用いることで、陽子線線量分布計算データからMLEM法で計算されるActivity分布データの精度検証を実施した。高精度陽子線線量計算アルゴリズムの研究開発では、Activity分布活用線量分布推定に必要である高精度で患者体内中の陽子線線量分布の計算を可能とするPTSIM-GEANT4モンテカルロシミュレーションによる陽子線線量分布算出及び計算精度を検証した。また、本研究で開発された様々な技術を統合した患者体内中陽子線線量分布観測システム:pDose-BOLPsの仕様を完成させ、仕様に基づくシステムの構築を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では、陽子線治療において患者体内中の組織構成要素である様々な原子核と入射陽子の間に起こる標的原子核反応より生成される種々のポジトロン放出核からの消滅ガンマ線の革新的計測・可視化技術を用いることで、患者体内中での「陽子線線量の観える化」観測技法を研究開発し、腫瘍へ陽子線が的確に照射されていることを確認出来る高精度陽子線治療法の実現を目指している。 Activity分布活用線量分布推定法の研究成果として、その手法を知財化登録することができた。また、Activity分布活用線量分布推定法の機能を搭載したソフトウェアの作成及び機能の検証に必要な様々な照射ターゲットに対する陽子線照射実験を実施した。陽子線照射実験においてBOLPsを用いることで多くのActivity分布実測データを取得でき、陽子線線量分布推定精度の検証に活用できた。生成ポジトロン放出核分布高速計算処理法については、陽子線線量分布計算データからMLEM法を組み合わせた処理法によりActivity分布計算データを導出することができ、その有用性を示すことができた。また、昨年度から引き続き、Activity分布活用線量分布推定機能、生成ポジトロン放出核分布高速計算処理機能、高精度陽子線線量計算アルゴリズムを搭載したActivity分布活用線量分布推定システムとBOLPsを統合させた患者体内中陽子線線量分布観測システム:pDose-BOLPsの構築に向けて、人体模擬ファントムによるデモ照射実験とデモデータを取得することができた。 現在までの研究の進捗状況としては、各機能のソフトウェア作成、様々なターゲットに対する陽子線照射実験データ取得、計算及び実測データに基づくソフトウェア動作検証など、当初の研究計画よりも早いペースで実施することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度が3年間の研究最終年度になるため、患者体内中での「陽子線線量の観える化」観測技法の研究に関する、Activity分布活用線量分布推定法の研究開発、生成ポジトロン放出核分布高速計算処理法の研究開発、高精度陽子線線量計算アルゴリズムの研究開発の機能を統合させることで患者体内中陽子線線量分布観測システム:pDose-BOLPsの構築と総合試験を行う。 Activity分布活用線量分布推定法の研究開発、生成ポジトロン放出核分布高速計算処理法の研究開発、高精度陽子線線量計算アルゴリズムの研究開発においては、陽子線照射実験によるActivity分布の計測データ、線量分布及びActivity分布の計算データを活用した検証により、本線量分布推定法を機能化したソフトウェアの開発にフィードバックすることで機能の向上を図る。各機能の向上を図りながら、pDose-BOLPsへの機能搭載を進める。昨年度に引き続き、陽子線照射実験を行い、特に本年度は現在の陽子線治療の主流になりつつある陽子線スキャニング照射による実験とデータ収集を重点的に実施する。また、pDose-BOLPsを完成させために、実際の患者への陽子線治療を想定し、人体模擬ファントムを用いた陽子線照射実験を行い、pDose-BOLPsの完成度を向上させるために陽子線線量分布データ及びActivity分布データを取得する。尚、pDose-BOLPsの構築においては、国内外の陽子線治療装置メーカーから機器仕様等の基本情報を収集し、メーカーを限定せずに活用できるシステム構築を念頭に開発を進める。更に、陽子線スキャニング照射に適したpDose-BOLPsの新たな知財内容をまとめ申請する。
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[Journal Article] Liver phantom design and dosimetric verification in participating institutions for a proton beam therapy in patients with resectable hepatocellular carcinoma: Japan Clinical Oncology Group trial (JCOG1315C)2019
Author(s)
T. Nishio, H. Tachibana, Y. Kase, K. Hotta, M. Nakamura, M. Tamura, T. Terunuma, T. Toshito, H. Yamashita, S. Ishikura, H. Fuji, T. Akimoto, Y. Nishimura
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Journal Title
Radiother. Oncol.
Volume: 140
Pages: 98-104
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Measurement of production cross-sections of positron emitter nuclei in target nuclear fragmentation reactions for proton therapy2019
Author(s)
K. Matsushita, T. Nishio, T. Masuda, S. Tanaka, M. Tsuneda, T. Kurosawa, S. Miyagawa, A. Sano, T. Ogata, T. Takenaka, H. Yamazaki, K. Yamada
Organizer
The 118th Scientific Meeting of JSMP
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