2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the cause of diabetes in the Japanese population using whole genome information and development of diagnostic and therapeutic methods using iPS cells
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18H04053
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山内 敏正 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (40372370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩部 真人 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (30557236)
岩部 美紀 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (70392529)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 遺伝因子機能解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は日本人2型糖尿病の疾患感受性遺伝子領域としてゲノムワイド有意水準に達した88領域を確定させ報告(Nat Genet, 2019)すると共に、日本人2型糖尿病性腎症感受性領域としてゲノムワイド有意水準に達した1領域を確定させ報告した(PLoS One, 2018)。2型糖尿病88領域内に存在するSNPsの中で、(1)ミスセンス変異によって蛋白の構造と機能を変化させるもの、(2) eQTL解析で遺伝子の発現を変化させるもの等を探索した。 (1)臨床情報等バイオインフォマティクスも駆使して、インスリン分泌低下型or抵抗性惹起型かを明らかにし、BMI等の臨床情報に関連したクラスタ解析により、特徴毎に分類した。当該遺伝子の発現組織を発現解析によって明らかにした。ミスセンス変異がどのような立体構造/機能の変化をもたらすのかin silico予測を駆使して、欧米人には殆ど存在せず、日本人に特徴的で膵β細胞分化や機能に重要な2つの遺伝子について明らかにした。以上の解析等により、2型糖尿病と合併症の発症や進展に関連するもの、薬剤反応性に関連するもの等に関して、日本人iPS細胞にゲノ ム編集を試みる準備を進めた。(2) eQTL解析で遺伝子の発現を変化させるものの中で、臨床情報やエピゲノムを含む種々のデータベースと照らし合わせ、優先順位をつけた。その表現型を説明し得る組織への発現が確認されたものに関して、日本人iPS細胞にゲノム編集を試みる準備を進めた。日本人iPS細胞を糖尿病関連の代謝臓器として膵β細胞及び脂肪細胞に分化させている。クラスタ解析において脂肪萎縮型糖尿病の存在が知られている。脂肪萎縮を呈する遺伝子変異を有する日本人iPS細胞を脂肪細胞に分化させた場合、in vitroでもPPARG発現が低下していた。有望因子に関しては、ノックアウトとノックインマウス作製に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度、日本人2型糖尿病及び腎症の疾患感受性遺伝子領域としてゲノムワイド有意水準に達した領域を確定させ報告することを計画し、それぞれ88領域(Nat Genet, 2019)、 1領域を報告した(PLoS One, 2018)。2型糖尿病88領域内に存在するSNPsの中で、(1)ミスセンス変異により蛋白の構造と機能を変化させるもの、(2) eQTL解析で遺伝子発現を変化させるもの等の探索を計画していた。 (1)臨床情報等も駆使して、インスリン分泌低下型or抵抗性惹起型かを明らかにし、BMI等の臨床情報に関連したクラスタ解析により、特徴毎に分類した。当該遺伝子の発現組織を発現解析によって明らかにした。ミスセンス変異がどのような立体構造/機能の変化をもたらすのかin silico予測を駆使して、欧米人には殆ど存在せず、日本人に特徴的で膵β細胞分化や機能に重要な2つの遺伝子について明らかにした。以上の解析等により、2型糖尿病と合併症の発症や進展に関連するもの、薬剤反応性に関連するもの等に関して、日本人iPS細胞にゲノ ム編集を試みる準備を進めた。(2) eQTL解析で遺伝子の発現を変化させるものの中で、臨床情報やエピゲノムを含む種々のデータベースと照らし合わせ、優先順位をつけた。その表現型を説明し得る組織への発現が確認されたものに関して、日本人iPS細胞にゲノム編集を試みる準備を進めた。iPS細胞を糖尿病関連代謝臓器として膵β細胞及び脂肪細胞に分化させている。クラスタ解析により脂肪萎縮型糖尿病の存在が知られている。脂肪萎縮を呈する遺伝子変異を有する日本人iPS細胞を脂肪細胞に分化させた場合、in vitroでもPPARG発現が低下していた。有望因子のノックアウトとノックインマウス作製に着手した。以上より、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究も予定通り進むよう推進する。(1)ミスセンス変異により蛋白の構造と機能を変化させる遺伝子多型の探索では、パスウェイ解析をより強化し、バリアントの影響を特徴毎にさらに分類する。有望遺伝子の発現組織を発現解析により明らかにするのも継続する。ミスセンス変異の立体構造/機能への影響をin silico予測を駆使してさらに継続して明らかにする。以上のような解析により日本人2型糖尿病とその合併症の発症や進展に関連するもの、薬剤反応性に関連するもの等として有望なものに関して、日本人iPS細胞にゲノム編集を加えるのを継続する。有望因子のノックアウトとノックインマウス作製も継続する。(2) eQTL解析で、遺伝子発現を変化させるものの中で、臨床情報やエピゲノム解析も駆使し優先順位をつけながら、日本人iPS細胞のゲノム編集を継続する。表現型責任臓器となる糖尿病関連代謝臓器に分化させることを継続する。有望因子のノックアウトとノックインマウス作製も継続する。iPS細胞の脂肪細胞への効率的な分化系の構築においては、当初試みたレチノイン酸を用いた胚様体形成を介する脂肪細胞への分化プロトコルでは、分化の均一性、安定性の問題が生じた為、新たな方法として、培養面の細胞外基質により間葉系幹細胞様の細胞へと一旦誘導させてから脂肪細胞へ分化させるプロトコル、およびサイトカインカクテルによる脂肪細胞への分化させるプロトコルを試行する。膵β細胞に関しても浮遊培養系から同様の工夫をすると共にオルガノイドも用い、実験系の安定性や効率の面でさらなる改善を図る。
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[Journal Article] Critical Role of SREBP-1c Large-VLDL Pathway in Environment-Induced Hypertriglyceridemia of Apo AV Deficiency2019
Author(s)
Takanashi M, Kimura T, Li C,・ Takase S, Okazaki S, Iizuka Y, ・Yamauchi T, Kadowaki T,・, Okazaki H
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Journal Title
Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology
Volume: 39
Pages: 373~386
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Downregulation of macrophage Irs2 by hyperinsulinemia impairs IL-4-indeuced M2a-subtype macrophage activation in obesity2018
Author(s)
Kubota T, Inoue M, Kubota N, Takamoto I, Mineyama T, Iwayama K, Tokuyama K, Moroi M, Ueki K, Yamauchi T, Kadowaki T:
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 9
Pages: 4863
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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